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东方三月精 ~ Eastern and Little Nature Deity./月之妖精/中日对照

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月の妖精
月之妖精
小說·ZUN 揷絵·綾見ちは
小说:ZUN 插绘:綾見ちは
 孫康映雪(そんこうえいせつ)。大陸の偉人は油を買うお金が無くても月の明かりを雪に映し、書を読んだ。あの狂おしい月光をかき集めて本を読んだのだ。読んで——高官まで上り詰めたのだ。それはその者の勤勉さを称えよという意味か?
 それとも、お前も努力を怠るなという戒めか?
 いや、そうではない。そんな訳がない。そんなくだらない意味であってはならない。
  孙康映雪。中国的名人虽然灯油都买不起,却还借反射在雪上的月光以读书。如此收集蕴含狂乱之力的月光竟然是为了读书。读着读着——最终当上了大官。这故事是为了提倡像他一样勤勉吗?
  还是说,是为了劝诫大家保持努力不要怠惰呢?
  不,不是这样。故事要说的并非这个意思。并不是要说这样毫无营养的大道理。
「ふぁあ~あ。朝から何陰気な顔をしてんのよ」
 一番最後に目が覚めたサニーミルクは、気の抜けた声を漏らしながら、リビングに座っていたルナチャイルドを小突いた。
「痛。昨日の事思い出して不機嫌になっていただけよ」
「昨日の事を憶えているのは、夜も寝てないルナだけよ。普通は——」
 ルナチャイルドと向かい合わせに座っていたスターサファイアは、お寝坊さんであるサニーミルクの方を向いて言った。
「——普通は寝たら忘れるもんだわ。何もかも」
「今日って何かあったっけ?」
「確かに、スターの言う通り普通は (、、、) 寝たら忘れるのね。今日は宝探しの日でしように」
 サニーは大げさに驚いた振りをして「ああ、ごめんごめん。すぐに支度するね」とだけ言った。
 “哈啊~啊。怎么大清早就拉着个脸。”
  最晚醒来的是桑尼米尔克,她一边懒散地嘟囔着,一边戳了一下在客厅坐着的露娜切露德。
 “疼,一想起昨天的事就觉得很不爽。”
 “也就一宿都没睡好的露娜还能记得昨天那事吧。一般来说——。”
  坐在露娜切露德对面的是斯塔萨菲雅,她对着贪睡的桑尼米尔克说道。
 “——一般来说只要睡上一觉就都忘光啦。不管什么事情都一样。”
 “今天什么安排来着?”
 “确实如斯塔所言,睡一觉就忘了。今天本该是寻宝的日子吧。”
  桑尼露出了一个很夸张的震惊表情,赶忙说:“啊,抱歉抱歉。我马上去准备一下。”
 ルナとスターは既に支度をすまし、リビングのテーブルで珈琲の入ったカップを手に、お寝坊さんの支度が終わるのを待っていた。
「昨日はさ、みんな酷いよ。私だけ置いて逃げちゃうんだもの」
「それは違うのよ、ルナ。私達はルナを信頼しているから置いていくのよ」
「適当な事を言って」
 昨日は神社の日 (、、、、) だった。神社の日とはその名の通り、神社方面へ行って悪戯を仕掛けて愉しむ日の事である。結局いつものように巫女に見つかり命辛々逃げてきたのだが、ルナだけ逃げ遅れて捕まってしまったのだ。
「私一人だけ説教されてたのよ。余り聞いてなかったけど」
「聞いてなかったじゃなくて、聞こえなかった (、、、、、、、、) でしょ?」
 ルナは音を消す事が出来るのである。だから、ルナに説教とは、馬の耳に念仏、石地蔵に蜂、と同じだと思われやすい。
「そうしたいのは山々だけど、聞いている振りでもしないと相槌も打てないじゃないの。それじゃあ聞こえてない事がバレバレじゃない。だから——」
 ルナは少々早口でまくし立てた後、残り僅かとなった珈琲に砂糖を落としかき混ぜた。
 そうだ。不機嫌だったのは二人に置いて逃げられたからではない。そんなのはいつもの事だし、私の能力からしたらしんがりを務めるのは当然の事だ。私か不機嫌だったのは……なんだっけ?
「砂糖入れ過ぎじゃない? 糖によ……珈琲飴になっちゃうよ?」
「のわ!」
 お寝坊さんが、 (ようや) く戻ってきた。
「おまたせー。さ、今日は宝探しに出発よー!」
  露娜和斯塔已经准备好,在客厅桌子旁举着装有咖啡的杯子,等贪睡鬼收拾东西。
 “昨天,你俩也太过分了。把我一个人丢下就跑了。”
 “话可不能这么说,露娜。我们因为相信你才没有管你的”
 “你可快得了吧”
  昨天是。神社日就是字面意思,去神社里面进行恶作剧寻开心的日子。最终结果也是一如既往地被巫女发现后仓皇逃命,但只有露娜跑得慢被抓住了。
 “昨天就我一个人被抓住说教,虽说完全没听进去。”
 “不是没有听,而是根本吧?”
  露娜可以消除声音。所以,不难看出,对露娜说教,就是对牛弹琴。
 “我倒是想用能力,但如果不装作在听的话不就没法搭腔了吗。然后不就暴露了完全没在听嘛。所以说——”
  露娜高速念叨一通之后,在仅剩不多的一点咖啡里扔了一块砂糖搅了起来。
  不对啊。让我心烦的并不是因为两人把我丢下自己逃跑。这是常有的事了,再说我的能力用来殿后也理所应当。那烦心的原因是……怎么回事?
 “加那么多糖?糖尿……都成咖啡糖了吧 ”
 “来啦!”
  贪睡虫,终于回来了。
 “久等了——。今天就出发去寻宝吧——!”
 暗く冷え切った店内は、不思議な道具と埃で満ちていた。彼は窓の光を取り入れるべく、カーテンを開けた。
 外の世界は白色一面である。冬の日光が雪に反射し、必要以上に光が店内に飛び込んできた為、カーテンを半分戻した。
 窓の雪で知られる雪で集める光とは、日の光ではなく月の光である。日の光は雪の表面を溶かし、僅かに反射角を変えてしまうので、ギラギラ反射してしまう。日の光の反射では本を読む事も出来ない、と彼は思った。
「珍しい来客だね。妖精三人だなんて。寒くなってきたんで何か物入りかい?」
 幻想郷の古道具屋、香霖堂 (こうりんどう) の店主である森近霖之助 (もりちかしんのすけ) 1はそう言った。
「え、いえ。買い物ではないのですが」
 そうサニーが言うと「お金持ってないしね」とスターが付け足した。
「ま、冷やかしだと思っていたよ。妖精がこの知的な道具だらけの店で買い物なんてする訳がない」
 霖之助は冷やかしには慣れているようだったが、やっぱり客じゃないのかと、がっかりした感じだった。それを見て慌ててサニーが言った。
「冷やかしというか、完全な冷やかしじゃないわ。さっき森で宝探しをしていて、珍しい物を見つけたの。何なのか判らなかったのでこの店に持ってきたのよ」
「ああ、それを先に言いなさい。何かな?」
 不思議な物——それは細長い真っ直ぐな白い棒で、一目で自然の産物ではない事が判る造形をしていた。太さは片手で握れる程度で、重さは棒の大きさから想像出来る重さより遥かに軽く、表面は硝子で出来ているようだった。
 三妖精はその不思議な物を、割れないように抱えて霖之助に渡した。
 霖之助はその不思議な道具を手渡された途端、全てを理解したような顔をして、割れないようにそっと机に置いた。三妖精は自分達が見つけた物が珍しい物、高価な物じゃないかと期待し落ち着かない様子だった。反対に霖之助は、目の前の必要以上に期待し過ぎている三妖精にどう説明しようか悩んでいるようだった。
「残念ながらこれは珍しい物ではない。これは、外の世界で光を放つ道具だね。外の世界では『蛍光灯』と呼ばれ、最も一般的な物の一つだよ。ただ、これを光らす方の道具はうちには無いけど……」
 彼は珍しい物じゃないと言ったので三妖精ががっかりすると思ったのか、お茶を滝れにその場を去った。だが、三妖精はむしろはしゃいでいたのである。
「けいこうとうだって。光を発するってよ? どうなのサニー」
「凄い物見つけたじゃない」
「今回の手柄は、これを見つけたルナね」
 予想外の好反応に霖之助は、「そ、そうかい。良い物を見つけて良かったね」と言った。
「ただ、さっきも言った通り、今のところこれを光らす手段がないんだ」
「そんなの。私達が勝手に光らせるわよ」
「色々試していつか光らせるわ」
「適当にやって何とか光らせるわ」
 妖精らしい何も考えて無さそうな返事である。彼は半分ほっとしたような、呆れたような表情をして、蛍光灯に付いた汚れを拭いた。
「まあ、蛍光灯は割れやすいから……これだけ完品が落ちている事は珍しいね」
 珍しいってよ、とサニーはルナを小突いた。
「痛。ぽんぽん叩かないでよ。でも、蛍の光みたいに光る (、、、、、、、、、) んでしょうねえ。うーん楽しみ」
  十分阴暗冷清的店内,被奇妙的工具和空气中肆意飘扬的灰尘所填满。男人为了采光,拉开了窗帘。
  外面的世界一片雪白,冬季的日光在雪地上反射后,往店内射入了过多的光线,于是男人又把窗帘拉回了一半。
  他想到因孙康映雪而广为人知的用雪收集的光,此光并不是日光而是月光,日光会融化雪的表面,使反射角度略微变化,反射出刺眼的光芒。所以他思忖着,日光反射的光是无法读书的吧。
 “三只妖精。真是稀客啊。最近越来越冷所以你们要买点什么东西吗?”
  幻想乡的旧货店:香霖堂的店主森近霖之助说道。
 “额,不。不是来买东西的。”
  桑尼说完紧接着斯塔又补充道“也没带着钱”。
 “嗐,我想也是只看不买。店里全是需要智慧才能用的器具,妖精怎么会在这里买东西。”
  霖之助早已见惯了这样的顾客,但因为不是买主,他还是感到有些失望。见状桑尼赶忙说。
 “虽说是只看不买,但也不完全是。刚才在森林里寻宝,捡到了个稀罕玩意,因为不知道是什么所以拿来店里了。”
 “啊,那你早说嘛。是什么东西?”
  奇怪的东西——那是一根细长笔直的白色棒状物,一眼就能看出不是天然形成的形状。粗细大概一只手能握住,重量比看起来远远要轻,表面似乎是玻璃做的。
  三妖精把这个奇怪的东西,小心翼翼地捧着递给霖之助。
  在接过那个奇怪东西的瞬间,霖之助就露出了已经理解了一切的表情,然后轻轻地放在了桌子上。三妖精露出一副坐立不安又十分期待的神情,等着香霖宣布她们找到的东西是否是价值极高的珍宝。而霖之助这边正烦恼着,该如何向对面前的东西抱有过分的期待的三妖精进行说明。
 “非常遗憾这并不是什么稀罕玩意儿。这东西,是外面世界用来发光的工具。在外面世界被称为‘荧光灯’,是最为普通的东西。只不过,我这里并没有能使这东西发光的工具……”
  他想着既然说了这并非什么珍稀之物那三妖精一定会大失所望吧,就离开去泡茶了。但是,三妖精反而一下欢腾起来。
 “萤光灯2啊。用来发光?桑尼你怎么看。”
 “这不是捡到了很了不得的东西吗。”
 “那今天的功臣,就是找到这个的露娜了。”
  面对意料之外的正面反馈,霖之助说道“是,是这样的吗。找到了好东西真是不错”。
 “不过,按刚才说的,现在没办法让它发光。”
 “这样吗。那咱们就让它亮起来吧。”
 “多试几次总能成的吧。”
 “只要方法对了肯定能亮。”
  典型的妖精式无脑回答。男人手上擦着荧光灯上的污渍,神色显得放下心来,又仍带着些许错愕。
 “不过,荧光灯很容易破损……这个却完好无损也挺难得的。”
  他说很难得哎,桑尼戳了一下露娜说。
 “疼。不要那么大力戳哇。这个,是不是。嗯——好期待。”
 彼の表情が一瞬曇ったように見えた。妖精の一人が不思議な事を言ったからだ。蛍光とは蛍の光のように光る事なのだろうか。
「いやいや、蛍光灯と言っても蛍の光のように光る訳じゃないよ。蛍光とは故事から来ているんだ。『車胤聚螢(しゃいんしゅうけい)』——大陸の偉人は油を買うお金が無くても、蛍を集めて書を読んだ。読んで高官まで上り詰めた。そういう努力を称えて、蛍光灯と名付けたんだよ。対になる言葉に——」
『孫康映雪』という言葉がある。これも同様に努力を惜しむなという戒めである。霖之助は得意げにそう語った。
「妖精の君達には馬の耳に念仏かな? でも、その蛍光灯を努力して (、、、、) 光らせて見たら、きっと努力の大切さが判るだろう。君達は光の妖精なんだろう?」
 と言って霖之助はお茶を飲んだ。
「あれ? 私達そんな事言ったっけ?」ルナはそう言った。
「霊夢達から話だけは聞いていたよ。この森付近に悪戯好きで迷惑な光の三妖精が居るってね。光の妖精だから、蛍光灯に興味を持つたんだろう。で、蛍光灯を見つけたのが君で、たしか……月の光の妖精だね? 蛍の光に月光と雪。ま、光らせる努力をしてみたら、きっと良い事があるだろう」
 努力……その言葉で思い出した。今朝不機嫌だった理由が。昨日も同じ事を巫女に言われたのだ。昔の人は月の光を雪で集めて本を読んで勉強したと言うのに、その大本の月の光がそんな悪戯ばかりしていて良いのかと、もっと勉強したらどうなのか、と。
 妖精の自分にとって勉強の大切さはよく分からない。勉強する事によって高度な悪戯が楽に出来るようになるのなら、勉強も (やぶさ) かではないと思う。言うなれば、勉強も悪戯の一環でしか無いと思う。
 いや、勉強しろとか努力しろとかそんな事はどうでも良いのだ。それは悪戯——つまり楽しい事の一環なのだから。勉強なんて意味無い、努力なんて無駄。そんな間違った勉強観を元に不機嫌になっている訳ではない。
 そうだ、孫康映雪……だ。
  能捕捉到男人的表情似乎闪过一丝阴沉。因为其中一个妖精说出来很离谱的发言。也许是因为她说荧光就是像萤火虫一样的光。
 “并不是这样,虽说叫荧光灯但不是像萤火虫那样的光。荧光这个词是从故事中来的。‘车胤囊萤’——中国的名人连买灯油的钱都没有,收集萤火虫来照明读书。读着读着最终当上了大官。为了提倡他努力的精神,荧光灯因此得名。还有一个词能和它凑成一对——”
  还有一个叫“孙康映雪”的词语。也是同样劝诫要刻苦努力的。霖之助得意地说道。
 “对你们妖精说这些不过是对牛弹琴吧?不过,如果你们要真能能让这个荧光灯发光的话,那一定能明白努力的重要性吧。你们是光之妖精来着吧?”
  霖之助喝着茶说。
 “哈?我们有这样说过吗?”露娜问道。
 “我听灵梦他们说的哦。森林附近有喜欢恶作剧的净给别人添麻烦的光之三妖精。因为是光之妖精,所以才对荧光灯感兴趣吧。说来,找到荧光灯的你,是……月光之妖精?月光下白雪皑皑配上萤火虫的光。不管怎么说,你们朝着让它发光去努力,总归不是坏事。”
  努力……这个词让我想起来一些事。那就是今早烦闷的理由。昨天巫女也说起了同样的事情。古人用雪收集月光读书学习,而在同一片月光下我们却只是恶作剧吗,如果更多地学习是不是更好,等等。
  妖精自身来说不懂得学习的重要性。但若通过学习能够做到高级的恶作剧的话,妖精们也会不遗余力地学习吧。也就是说,学习也变成了恶作剧的一环。
  不,不管是学习也好努力也好。总归都是恶作剧——也就是有趣的事中的一环。学习什么的没有意义,努力什么的都是白费。也不是基于这种错误的学习观带来的烦恼。
  啊……这份烦闷的根源,正是孙康映雪啊。
「良かったね。今日の宝探しの勝者はルナよ」
「うーん」
 三妖精は霖之助にお礼も言わず、香霖堂を後にした。森は日光は当たらないが、風も吹かず、寒さは感じられなかった。
「どうしたの? ルナ。今日は自慢しても良いのよ?」
「なんて言うか。何かすっきりしないのよねえ」
「その蛍光灯を光らせる手段が判らないから?」
「それもあるけど……何かすっきりしないのよねえ」
「何よその、すっきりしない答え。周りもすっきりしないわよ」
 サニーはどうしたもんだか、と言った表情をした。ずっと黙っていたスターは「ま、ルナだしね」と言った。
 ルナは蛍光灯を大事そうに抱えていた為、いつもより移動速度が遅かった。
「……努力じゃないのよ。大切なのは、うーん」
 サニーとスターの二人は顔を見合わせて、どうしちゃったのかな、と言った、その時である。
 “真不错啊。今天的寻宝冠军是露娜哦。”
 “嗯——”
  也没对霖之助道谢,三妖精就离开了香霖堂。森林里虽没有日光,但也没有风,并不让人感觉寒冷。
 “怎么了?露娜。今天骄傲一点也没关系吧?”
 “怎么说呢。总感觉心里不是很痛快。”
 “因为不知道怎么让荧光灯发光吗?”
 “倒是也有这个原因……还是感觉有其他东西压在心里。”
 “到底怎么回事嘛,含含糊糊地。搞得我们也莫名其妙啦。”
  桑尼做了一个,不明所以的表情。一直保持沉默的斯塔说道“嗐,毕竟是露娜”。
  露娜小心翼翼地抱着荧光灯,移动速度比平时慢了许多。
 “……并不是努力。重要的是,嗯——”
  与此同时桑尼和斯塔面面相觑,仿佛在说,到底怎么了,就在这时。
  スターが「走って!」と大きな声で言った。直後にサニーとスターは走った。スターは生き物の位置を知る事が出来る能力を持つのである、こう言った時は、何者かが後ろに現われた時である。
  妖精は力が弱い上に、他の生き物に迷惑をかける事が多く、妖怪や人間と出くわすと出会い頭に攻撃を受ける事が多い。だから、スターの能力は危険回避として役に立つ。
  ルナはと言うと、いつものように逃げ遅れてしまった。と言うか蛍光灯を持ち、考え事をしていたから仕様が無いのであるが……他の二人は一切助けようとしない。
 「はあはあ! 逃げなきや……」
  蛍光灯を捨てていくという事はルナの頭の中になかった。今は気付かれないように移動する事だけで頭の中が一杯だったのだ。
 「ちょっと」
  周りの音を消して逃げている筈のルナに、何故か呼びかける声が聞こえた。
 「ちょっと、そこな妖精さん」
  ルナは瞬時に、声の主が危険な妖怪だと判った。音をかき消しているというのに、音が聞こえるという事は普通の声ではない。心に聞こえる声だからだ。
  非常に危険だと感じた。だが、ルナは逃げるのを諦めた。何故なら、逃げていたというのに声の主は既に真正面に立っていた (、、、、、、、、、、、) のである。
 「お悩みのようね。月の光の妖精さん」
  斯塔突然大声喊道“快跑!”。后方的桑尼和斯塔便开始跑起来。斯塔有感知生物位置的能力,这样说的时候,后面肯定是有什么东西。
  妖精的力量弱小,还经常给其他生物添麻烦,一旦碰见妖怪或人类什么的经常会被攻击。于是,斯塔的能力用来回避危险非常有用。
  说起露娜,她又一如既往地跑慢了。抑或说手里拿着荧光灯,脑子里又想着事也没办法跑起来……但另外两人也丝毫没有想帮一把的样子。
 “哈——哈——!要逃……”
  露娜丝毫没有丢下荧光灯的想法。如今满脑子里只想着移动的时候不要被发现。
 “喂。”
  逃跑时本该能消除周围声音的露娜,不知为什么听到了呼喊声。
 “打扰一下,那边的妖精小姐。”
  一瞬间,露娜就意识到发出声音的是很危险的妖怪。明明消除了声音却还能听到,那就绝不是普通的声音。是能直达心中的声音。
  露娜感到了极度的危险。但是,她却放弃了逃跑。要说原因,因为她想要逃离的那个声音的来源,她的面前。
 “你正在被什么困扰着吧。月光妖精小姐。”
「何も捕って喰おうって訳じゃないのよ。外の道具を持って香霖堂から出てくる姿を見かけたからね。ちょっと後を付けてただけなのに……」
「ふあ、貴方は誰です……か?」
 冷たい雪の上に尻餅をついて驚いているルナは、素っ頓狂な声を上げて、刺激しないように注意しながら言葉を選んでいた。
「私は、八雲-境界の妖怪。外の世界の道具の管理者でもあるの」
「きょ、境界の妖怪!?」
 境界の妖怪。なるほど聞いた事がある。それは幻想郷と外の世界の境界を自由に行き来できる妖怪の事だったと思う。ルナにとって不幸な事に、幻想郷で最も恐ろしい妖怪の一人だ。
「貴方の持っているのは……蛍光灯か。なーんだ。大したもんじゃないわね。何か危険な物が妖精の手に渡ったのかと思っただけよ」
「危険な物?」
「外の世界には非常に危険な物もある。人間や妖怪ならまだしも、妖精には危険さも伝わらないからね。面白半分に使われて幻想郷を滅茶苦茶にされても困るし……でも蛍光灯なら別に良いわよ。それは貴方達の物……振り回すも良し神棚に飾るも良し、お好きなように」
 ルナは、緊張しすぎて目の前の妖怪が言っている事が良く理解出来ていない。
「そう、お騒がせしたお詫びとして、貴方に良い助言をしてあげるわ」
 それは、孫康映雪——。妖怪の様子が少し変化した気がして、ルナは再び震えた。
「孫康映雪。巫女の説教に使われたり、けんどん (、、、、) な古道具屋の蘊蓄 (うんちく) に言われたように、努力を惜しむなという戒めに使われる事が多いけど、それは違うのよ。外の世界では、支配者が民衆を抑え付ける言葉として使われるようだけど、それも勿論違う。貴方はそこに釈然としない何かを感じて、悩んでいたんでしょう? 本当の意味は——」
 妖怪は持っていた傘の先を、ルナの鼻先に当てた。
「——月の力を称える言葉だと言うのに。月の光の力は、日の光よりも優れている。静かなる力、心の色、悩み、月の光は何者にも惑わされない光なのよ。さあ、起きなさい。貴方が他の日の光と星の光にいいようにあしらわれているのは何故だと思う?」
 今度は蛍光灯の先端に傘を向けた。
「貴方が一番——」
 ルナが手にしていた蛍光灯が、真っ白に明滅した。森中の光がこの蛍光灯に集中したように見えた。森全体が明滅して見える。この光を見ていると、何だか気が遠くなる。そして、そのまま気を失った。
「貴方が一番——妖怪に近いから」
 “我并不是要把你抓住吃掉。只是恰好看见你拿着外面的器具从香霖堂出来。于是就在后面跟了你一段……”
 “哇啊,你是……谁?”
  露娜受到惊吓在冰冷的雪地上摔了一个屁墩,发疯似地大声叫道,同时又担心刺激到对方而小心地选择着使用的词语。
 “我啊,是八云——界线的妖怪。也是外面世界器具的管理者。”
 “界、界线的妖怪!?”
  界线的妖怪。的确有所耳闻。我记得她是可以在幻想乡与外面世界的界线上自由往来的妖怪。碰上幻想乡最恐怖的妖怪之一,对露娜来说确实是倒霉透顶。
 “你拿着的那个是……荧光灯吗。什么嘛。就是这玩意啊。我还以为他给了妖精什么危险的东西。”
 “危险的东西?”
 “外面世界也有些东西是很危险的。人类和妖怪还好说,对妖精的话就算是说了危险性也没法理解。要是妖精拿到那种东西为了找乐子闹着玩把幻想乡搞得天翻地覆就麻烦了……但是荧光灯就无所谓啦。就当你们自己的东西……挥着玩也好装饰神龛也好,随意处置吧。”
  因为过于紧张,露娜并没完全理解面前的妖怪说的话。
 “对了,吓到你了真是不好意思,为表歉意给你指点一下吧。”
  那就是,孙康映雪——。露娜察觉到妖怪的样子稍微发生变化,又吓得哆嗦了一下。
 “孙康映雪。巫女说教的时候也提到过,旧道具店的老学究也说了,人们多用这个故事来劝诫他人努力学习,但那是错误的解读。在外面世界,统治者这个词用来控制民众,更是错得离谱。你也是对此也感到无法释然,十分困扰吧?这个词原本的意思是——”
  妖怪把手上的伞举起,伞尖触到了露娜的鼻子。
 “——歌颂月之力的词语。月光之力,比日光更加卓越。这种静谧的力量,无论是心境变迁也好,烦恼迷惑也罢,月光不会被任何事物所纷扰。好了,起来吧。你觉得你为什么被另外的日光和星光那两位随意对待呢?”
  这次伞指向了荧光灯的一端。
 “因为你是最——”
  露娜手中的荧光灯,闪烁起纯白的光。看起来就像森林中的光全都集中在了这个荧光灯上。似乎整个森林都在随之闪烁。看着这样的光,露娜感觉有点神志不清。然后,就这样昏了过去。
 “因为你是最——接近妖怪的。”
「ふぁあ~あ。朝から何陰気な顔をしてんのよ」
 いつものように、一番のお寝坊さんが一番偉そうに朝の挨拶をしてきた。
 思うに、サニーは昼間は一番元気な分、夜は完全に活動を停止するのではないか。だから、睡眠時間が長いのではないか。
「サニーが起きてくるのが遅いから不機嫌だったの」
 スターは朝食の用意をしながら「そんなのいつもの事。いつもの事」と言った。
 ルナは、月の光の妖精である。活動時間はどちらかというと夜の方が向いている。そう、妖怪の活動する夜が彼女の本領発揮する時間だ。
「昨日は大丈夫だったの? なかなかルナが逃げてこないから、仕方が無く先に帰って暖を取っていたわよ」
「何が仕方が無くよ。元から助ける気なんて無かったんでしよ?」
 朝食の用意ができたので、三人は席に着いた。
「でもね、あんまり昨日の事を覚えていないのよねえ。何か妖怪に遭った気がするけど……もぐもぐ」
「もぐもぐ。忘れたくなる程、怖い目にあったのね」
「もぐもぐ。健忘症じゃないかしら」
 ルナは、何よケンボーショーって、とスターを小突いた。
「でも……なんとなく気分が晴れやかなのよね。それに何となく、あの蛍光灯が光ったのを見たような気がするの」
 三人は天井に吊るした蛍光灯を見上げた。
「幻覚でも見たんじゃないの?」
「白昼夢かな」
 ま、何にしても、見た事があると言うなら蛍光灯を光らす研究はルナが担当ね。とサニーは無責任に言い放って、いち早く食事を終えた。
 光の妖精と言えど、蛍光灯を光らせる手段は全く想像できなかった。妖精は普通、新しい事に興味が移ると、前の興味は上書きされてしまう。もう明日まで蛍光灯の事を覚えてはいないかも知れない。
 ルナは昨日出会った妖怪の事は既に覚えていなかった。それが妖怪の能力だったのか、明滅した蛍光灯に催眠効果が有ったのか、それともただ単に忘れてしまったのか判らなかったが、何か気持ちが晴れ晴れしていた。いつも活動的な他の二人にも、気後れする事は無かった。
「うーん、今日は何となく気分が良いのよね。何か、今日は逃げ遅れなくて済みそうな気がする」
「いや、それを言うなら、逃げるような場面に出くわさないで済みそうだ、の方が前向きよ?」
「ルナ、スター、何を言ってるのよ二人とも。逃げたら勝ちよ」
 三人は簡単な朝食を終え、ルナは蛍光灯を棚の上に飾り、手を合わせた。そして、私達三人が妖怪に負けないくらい強くなれますように、と祈った。蛍光灯にそんな力が有るとは思っていないが、妖怪との接点もこの蛍光灯しか無かったからである。何となく昨日遭ったらしい妖怪ともう一度会いたい気がしていた。孫康映雪——月の光の力が一番であると認めたあの妖怪と……。
 “哈啊~啊。怎么大清早就拉着个脸。”
  和往常一样,起得最晚的以一副最了不起的姿态开始早起问候。
  仔细一想,桑尼白天是最欢实的,晚上就完全停止活动了吧。所以,睡眠时间也就很长吧。
 “因为桑尼起得太晚所以不爽呗”
  斯塔一边准备着早餐说道“司空见惯啦。司空见惯”。
  露娜,毕竟是月光妖精。活动时间大体还是晚上居多。没错,群妖乱舞的夜晚正是她发挥本领的时间。
 “昨天没什么大碍吧?感觉露娜肯定逃不掉了,没办法只能先回来取暖了。”
 “什么没办法。本来就没想着帮我吧?”
  早餐做好了,三人坐在了椅子上。
 “但是,昨天的事情记不太清了。好像遇到了妖怪来着……吧唧吧唧。”
 “吧唧吧唧。这么恐怖的吗,都吓到失忆了。”
 “吧唧吧唧。我看就是健忘吧。”
  露娜戳了斯塔一下,问她健忘是什么意思。
 “但是……不知什么时候心情好起来了。并且感觉,似乎见过了那个荧光灯发光的样子。”
  三个人抬头看着吊在天井中的荧光灯。
 “你怕是看到幻觉了吧?”
 “是白日梦吧。”
  总之,不管怎样,既然你说见过它发光那露娜就负责研究怎么让荧光灯发光吧。桑尼不负责任地信口开河后,第一个吃完了早饭。
  虽说叫光之妖精,但怎么让荧光灯发光却完全没有头绪。妖精们一般来说,一旦对新的事物产生兴趣后,之前感兴趣的东西就抛之脑后了。明天还记不记得荧光灯这回事都说不准。
  露娜已经忘了昨天碰到妖怪那回事。不知道这是妖怪的能力,还是闪烁的荧光灯有催眠效果,又或者仅仅是忘了,不管怎样心情总归是好起来了。其他两个也活泼得很,丝毫不见被吓到的样子。
 “嗯——,不知怎么反正今天心情不错。无论如何,今天绝对不会再逃得慢了。”
 “呃,是不是,应该想得更积极一点,最好不要变成逃跑收场吧?”
 “露娜,斯塔,你俩说什么呢。逃跑才算是胜利吧。”
  三人吃完简单的早饭,露娜把荧光灯装饰在神龛上,双手合十。那么,祈祷我们三人,有不输妖怪的强大力量。虽然不觉得荧光灯有那样强大的力量,但和妖怪接触的契机也只有这个荧光灯了。不知为什么想和昨天似乎遇到的妖怪再见一面。孙康映雪——和认为月光之力是最强的妖怪……。
  スターは、願い事を叶えるなら蛍光灯じゃなくて流れ星が良いわよ? と言い、ルナの襟を掴んで引っ張った。サニーはいつものように意気揚々と出発の号令をかけ、三人の気持ちが一つになった。
  「さあ今日は昼寝の日よー! 森で一番日の当たる場所を探して、そこで昼寝をするわよ!」
  「おー!」
  希望愿望成真的话流星的效果不是比荧光灯更好吗?斯塔这么说着,然后抓起露娜的衣襟,拽了起来。桑尼就像平常那样士气高昂地发出号令,三人的想法也就随即合三为一。
 “好嘞今天是午睡日!找出森林中最向阳的地方,在那里睡午觉!”
 “噢!”

注解

  1. 此处振假名有误,应为“もりちかんのすけ”。
  2. 此处原文为片假名,翻译用词选择了“妖精式的理解方式”。