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东方外来韦编/2024/幻想之源②
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- 该内容于杂志中页数:038-039
- 翻译:院长each
幻想之源②
Fragment of Phantasy
東方Projectにちりばめられた、 様々な幻想の欠片を覗き見るコラム。 二本目は、地獄そのものの伝播と成立について。 地獄のオリジナルとは、 果たしてどのようなものだったのか。 文=塩田信之 | 本栏目将窥视星罗棋布于东方project里的, 各式各样的幻想碎片。 文=盐田信之 |
地獄 | |
人が死んだらどこへ行き(連れていかれ)、何をされるのか。そんなことを考えるのは、日々の生活がある程度安定してからか、もしくは「死」が目の前まで迫ってきていることを自覚してからのことでしょう。現代も、人間が死について考え始めた遥かな過去においても、日々の生活はいつだって大変です。 | |
しかしいったん『死後の世界』について考え始めると、どうしても気になってしまう。それが小さなものであっても、過去に犯してしまった「悪事」を思い出して、そのせいで地獄に堕とされでもしたらどうしようかと考えては、そんなことは起こるはずがないだろうと思い直す。でも、そういう場所が本当にあったとしたら?きっとそんな風に『地獄』の存在は生まれたんじゃないかと思うのですが、地獄に堕とされないよう心を入れ替えたりするよりも、どんな恐ろしい責め苦を受けることになるのか内容を細かく考えたり、魔法の呪文(のようなもの)を唱えることで過去の罪が帳消しになって天国に行ける都合のいい方法ばかりを考えたりしたのでした。 | |
東方Projectは以前から地獄と深い縁のあるゲームですが、関係があるようでないかもしれない、ちょっとだけ珍しい視野で地獄を見ていくことにしましょう。 | |
日本・中国・韓国の地獄 | |
日本人のイメージする死後の世界は、基本的には中国から伝わった教典と知識をベースにできています。そもそもの経路はおとなりの国としての朝鮮半島(特に百済)を通過してきたのですが、中国に元があるのがわかっていたため「大元から直接教えてもらう」ことにしたわけです。 | |
百済から日本に仏教が伝わった西暦538年は、基本的には公式な仏教伝来時期ということになります。中国から百済に伝わったのは384年とされていますから、150年近く遅れての伝来です。600年には日本から中国大陸へ遣随使が送られていますから、百済との関係は続けつつ随・唐への朝貢を行って新しい仏教などの先進文化を得ようとしたわけです。 | |
朝鮮半島各国への仏教伝播はスムーズに進みましたが、中国からは道教も同時に伝わっており仏教に負けないくらい道教寺院が建ち並びました。カラフルな寺院が多い韓国の宗教事情はその頃から始まっていたようで、古い時代に東南アジアから伝わったシャーマン系宗教などもあってより派手な印象だったのです。日本にも「神道」が古くからあったりしますが、聖徳太子が熱烈な仏教信望者だったため、純粋な仏教を強く望んだと考えられています。 | |
中国の仏教は日本や韓国と比べるとだいぶルーツに近いとはいえますが、オリジナルのインドのものとは違うところも多々あります。当時の日本人は三蔵法師がそうしたようにインドまで直接行くことはできなかったので、その時は中国化された仏教を学んでいったわけです。十人の閻魔たちが地獄の裁判官を務める地獄の姿は、道教要素も含んだ中国で独自発展を遂げたものです。根拠とされる『十王経』はインドで作られた教典ではないことが明らかになっています。 | |
ちなみに、その後韓国の地獄観はどうなったのかといいますと……仏教は強い勢力を持った宗教ですが、仏教の「死後の世界」としての地獄は重要視されなくなっていったようです。この辺りは第二次世界大戦後、日本の影響を払拭した時代的変化や、朝鮮戦争も経たことで国民性にも大きな変化があったようで、あまりはっきりとはわかりません。それ以前の時代には十王や八大地獄が信じられていたようですが、現在では言葉として使われることも、ほとんどないようです。近年の韓国のテレビドラマには死神の存在や、死後の「三途の川」で出会う「奪衣婆」などが描かれることがありますが、必ずしも韓国の死生観として常識というわけではなさそうです。 | |
チベットの地獄 | |
チベットには密教としての仏教が伝わりました。日本では密教とは仏教の一部と理解されることが多いのですが、単純にそう言い切れるわけではありません。インドで仏教から生まれたのは確かですが、密教として独自の発展を遂げていき、ヒンドゥー教の中にも密教と呼ばれる宗派があります。仏教では修行などにより「来世」が幸福になったりするのですが、密教は基本的に「あの世」ではなく「今生(この世)」で幸福になることが目的です。その幸せには肉体的な幸せとして性的な恍惚も含まれるため、マジメな人にとっては受け入れられませんでした。 | |
そうした密教がタブーとされずに伝わった地域がチベットやネパールでした。それぞれ独特の形に発展し、中国や日本に伝わった仏教とはさまざまな面で「違う」姿になっていますが、インドの神々が次々現れるため原形的な古い姿にも思えます。 | |
チベットの死後の世界は「バルド」と呼ばれ、次に生まれ変わるまでの間いる場所です。そこに閻魔もいて「シンジェ」と呼ばれます。死んだ者が次の生を得るための判定が行われますが、中国や日本のように法廷があるわけではありません。死んでから5日目までは、穏やかな表情の仏たちが現れます。生前の行いが良い行いばかりならばこの間までに次の生が決まりバルドから出られるわけですが、6日目からは恐ろしげな姿の神々が混ざり始め、7日目には手にはそれぞれ刀などの武器を持って踊りながら近寄ってきます。8日目以降は現れる神々すべてが憤怒の形相へと変わり、最後の14日目まで魔物や巨大な魔神に驚かされ続けることになります。 | |
14日間は回る車輪の姿で表現され、チベット曼荼羅として描かれています。車輪を抱えるように持っているのが三つ目の憤怒相をしたシンジェで、回転する円盤を噛んだり舌を伸ばして死者の次の命が何になるのかを示します。14日間たっても決まらない場合は、最初の日に戻ってやり直しです。仏教にもある輪廻転生を車輪の回転で表現しているのですが、なんだかルーレット・ゲームのようにも見えます。 | |
インドとペルシアの地獄 | |
中国やチベットの仏教も密教も、インドでの思想が根底にあります。地獄も、冥界の王たる閻魔=ヤマの存在も、インドで生まれました。日本では「奈落」として知られる世界の「底」を指す言葉「ナラカ」は、チベットの「バルド」と同じく死者の次の生が決まるまでの仮の場所に過ぎませんでした。死者がさまざまな拷問に責めさいなまれる地獄がまずあったのではなく、輪廻転生が先にあり次にゆく場所が決まってそれが六道のいずれかだったらそれぞれ辛く苦しい生が待ち受けます。次もまた人間になれたとしても、そこは六道では一番マシな人界に過ぎないわけで、生きていること自体が辛く苦しいのは当然なわけです。 | |
ヤマは神から生まれた最初の人間としてインドでは描かれます。人間なので寿命があって、最初に死ぬ運命でした。そして死後の世界を続べる王となったことが仏教が生まれる前のインドの聖典『リグ・ヴィーダ』ですでに書かれています。仏教はその思想を新たな解釈で閻魔に発展させ、中国やチベットに伝わっていきました。当初は死者として、死ぬ運命にある人間を出迎える「死神」に近い役どころです。仏教の後に広まったヒンドゥー教は仏教以前のバラモン教を引き継いだため、『リグ・ヴィーダ』の世界観を『プラーナ』と呼ばれる新たな聖典群でより深く拡張させています。それも張りあうように発展させた思想の行き着いた形が、密教だったわけです。 | |
バラモン教は、インドという国が生まれる前から中央アジアにあった非常に古い宗教の一部だったと考えられています。「ヒンドゥー」という言葉は昔は「インド教」と呼ばれたりしていましたから、世界四大文明のひとつ「インダス文明」としてインドや「ゾロアスター教」を生んだペルシアも含めた古い巨大な思想の一部だったのです。ペルシアではイマと呼ばれた閻魔は、まだ死ぬ前の人間たちの王としての物語が聖典『アヴェスター』に残されています。 |
塩田信之 | 盐田信之 |
神話・伝説好きなゲーム・アニメ中心のフリーライター。現在はスマホゲームのシナリオ等を手掛けることも多い。 2019年『いかにしてアーサー王は日本で受容されサブカルチャー界に君臨したか』(みずき書林)にも寄稿している。 | 爱好神话、传说,以游戏、动漫为中心活动的自由作家。 现在还多有执笔手机游戏剧本等活动。2019年还在为《亚瑟王是如何在日本被接受并君临亚文化世界的》(Mizuki Shorin)写稿。 |