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东方外来韦编/弐/幻想之源③
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- 该内容于杂志中页数:034-035
- 翻译:hyzdjx
幻想之源③
Fragment of Phantasy
「妖々夢」では冥界という幻想郷以外の場所が出てきたが、 「永夜抄」で登場した月の都もまた、幻想郷の外にある幻想の場所だった。 そこから先に拡がる世界とは——。 | 「妖妖梦」里出现了冥界这一幻想乡以外的地点, 在「永夜抄」里登场的月之都又是一个在幻想乡外部的幻想地点。 在此以后将展开的世界是——。 |
「永夜抄」のラスボス蓬莱山輝夜は、日本人なら誰もが聞いたことがあるだろう「かぐや姫」……日本どころか世界最古の物語文学と言われる『竹取物語』の主役、「かぐや」が基となっている。最近は某携帯電話会社のCMでよく見る気がするアレである。このことは、まあ名前の読みや使用するスペルカードをみれば、すぐにピンとくるだろう。一方、同じ6面のボスではあるがいまいちピンと来ない方のキャラが八意永琳だ。だが、東方Projectの世界観を形作るうえでは、どちらかというと輝夜よりも永琳の立ち位置の方が重要ではないだろうか。それは、永琳がなにをモチーフに形成されているかに思いを巡らせることで、明らかになってくる。 | 「永夜抄」的最终BOSS蓬莱山辉夜,是日本人中家喻户晓的「辉夜姬」……也就是以不仅是在日本更是在世界上最古老的物语文学『竹取物语』的主角,「辉夜」为基础的。就是最近经常在某手机公司的CM上见到的那个。这样的事,如果看到名字的读法以及使用的符卡,大概立刻就领会了吧。相反地,还有一个同样是6面的BOSS但无法立马领会的角色八意永琳。但是,在构成东方Project的世界观上,二选一的话比起辉夜来说永琳所在的位置更为重要。这件事,在理清永琳以什么为原型形成之后,就会变得明朗起来。 |
古代——どこまで? | 古代——何处开始? |
永琳についてのヒントはやはり名前と、5面で永琳と禁呪の詠唱チーム――魔理沙とアリスが出会った際の会話部分にある。 | 永琳相关的线索在于名字,以及在5面永琳和禁咒的咏唱组——魔理沙和爱丽丝遭遇时的对话部分。 |
「あなた達は古代の力のコピーを 使用しているみたいね。 まだ人間が居なかった時代の無秩序な力。 あの頃が懐かしいわ。 能力にも特許を認めるべきかしら」 | 「你们使用的似乎是 古代力量的复制品呢。 在还没有人类的那个时代的无秩序的力量。 真怀念那个时候啊。 能力方面是不是也要有专利认可呢。」 |
古代、それも人間が居なかった時代とは、いったいいつのことだろうか。これが名前と繋がって意味を持ってくる。 | 古代,还是人类不存在的时代,到底是什么时候的事呢。这带来了和名字相关的意义。 |
八意とは日本の神様の名前だ。『古事記』や『日本書紀』では「思兼神(オモイカネノカミ)」と記され、その『記紀』に並ぶ日本の史書『先代旧事本紀』では「八意思兼神(ヤゴコロオモイカネノカミ)」として記される智慧の神様のことを指す。「妖々夢」では「東方」らしく和風の幽霊と西行ネタが仕込まれていたが、ここから一気に日本神話へと話が拡がっていく。 | 八意是日本神明的名字。『古事记』和『日本书纪』里记为「思兼神」,和『记纪』并列的日本史书『先代旧事本纪』里记为「八意思兼神」,指明其为代表智慧的神明。在「妖妖梦」里有「东方」般的和风幽灵以及西行素材被封入其中,从这里开始一口气进入日本神话之后故事不断展开。 |
日本の神様 | 日本的神明 |
日本の神様観は「八百万の神様」、もちろん読みは「はっぴゃくまん」ではなく「やおよろず」つまり全てのものに神様が宿るという考えである。そして有名な神様は、なぜ有名かと言うとよく知られたエピソードを持っていたり、有名な神社に祀られているからと言える。なお、ここからは敬称略で失礼する。 | 日本的神明观是「八百万的神明」,当然读法不是「はっぴゃくまん」而是「やおよろず」1也就是一切事物都有神明栖身的观点。其中有名的神明之所以有名,是因为有着广为人知的轶事,并被祭祀于有名的神社里。另外,从这里开始略去神明的敬称,失礼了。 |
たとえば国産みの神話で語られるイザナギとイザナミ、太陽と同一視され、天岩戸に隠れることで有名なアマテラス、その弟で暴れん坊のスサノオあたりが特に有名だろうか。他に、お稲荷様のように神社は有名だけど、祀られている神様、ウカノミタマのようにいまいち名前が知られていないものもある(※たしかに仏教系の寺院では荼吉尼天……お狐様そのものが祀されてはいるが)。オモイカネについての有名なエピソードは、やはり天岩戸絡みだろう。アマテラスが天岩戸に隠れた際に、神々にどうやってアマテラスを外に出すか、という策を授ける知恵の神として登場するのだ。 | 例如国诞生的神话里讲述的伊邪那岐和伊邪那美,被视为太阳、闻名于在天岩户躲藏的天照大神,她的弟弟淘气包素盏呜尊也特别有名吗。其他的,类似稻荷大人虽然神社有名但是祭祀的神明,宇迦之御魂神的另一个名字不为人知(※的确在佛教系的寺院里叫荼吉尼天……作为狐神被祭祀)。和思兼神相关的有名轶事,果然还是和天岩户相关的事。在天照大神躲藏在天岩户的时候,众神在想怎样让天照大神出来,思兼神作为传授对策的智慧神登场。 |
なんとなくではあるが、ものすごく詳しいとか興味がある人以外は、イザナギ・イザナミあたりが一番古い神様ではないか、と思っていそうな気はする。有名さもさることながら「国産み」、つまり天地創造に関わっているというイメージが「最初にいた神様」として印象付けているのではないだろうか。だがこの二柱よりさらに以前の代の神様たちがいるのだ。……ただ、書物によっていろいろ記述が揺れたりするので、ここでは『古事記』に基づいて話を進める。 | 不知为何,除了非常博识以及感兴趣的人外,很多人都以为,伊邪那岐·伊邪那美是最古老的神明。「国诞生」不用说自然是很有名,也就是说是不是将与天地创造相关的形象带入「最初存在的神明」的印象里去了呢。但是实际上有比这二柱神更前代的神明。……然而,由于书籍的不同很多记述会有出入,这里基于『古事记』推进话题。 |
別天津神と神世七代 | 别天津神和神世七代 |
ということで『古事記』によると、イザナギとイザナミは十二代目の神様ということになる。もちろん前だから偉いとかそういうことではないのだが、そんなに? という気になる人もいるのではないだろうか。まず天地開闢、つまり世界が初めて生まれた時に登場したのが「造化の三神」と呼ばれる神様だ。 | 于是根据『古事记』,伊邪那岐和伊邪那美是第十二代神明。当然不因为排在前面就一定伟大,有感觉那么?的人吗。首先是天地开辟,也就是世界刚诞生时登场的被称为「造化三神」的神明。 |
・天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ) ・高御産巣日神(タカミムスヒノカミ) ・神産巣日神(カミムスヒノカミ) | ・天之御中主神 ・高御产巢日神 ・神产巢日神 |
その次に現れた「宇摩志訶備比古遲神(ウマアシカビヒゴコチノカミ)」「天之常立神(アメノトコタチノカミ)」を加えた五柱を、天津神の中でも特別な存在として「別天津神(ことあまつかみ)」と呼ぶ。この後に表れる「神世七代」と呼ばれる十二柱の七代目の神様が、イザナギ・イザナミなのだ(※なお、『日本書紀』では「神世七代」こそが天地開闢の際に現れた神様としている)。これがイザナギ・イザナミを十二代目の神様とする理由である。 | 与接下来出现的是「宇摩志诃备比古迟神」「天之常立神」一起并称为五柱,是天津神里特别的存在被称为「别天津神」。这之后出现的称为「神世七代」的十二柱中的第七代神明,就是伊邪那岐·伊邪那美(※至此,『日本书纪』里「神世七代」才是天地开辟时出现的神明)。这就是伊邪那岐·伊邪那美作为第十二代神明的理由。 |
ようやく話は永琳に戻る。というのも、オモイカネは別天津神に挙げた2番目のタカミムスヒノカミの子とする説があるからだ。つまり代で言えばイザナギ・イザナミよりも古い神である可能性がある。ただ、神様の年齢というのは長く、特に別天津神ともなると億単位とする説もある。なので、代がだいぶ後だからと言って、先に誕生したとは一概には言えない。ただ、人類誕生とされる6500万年前よりも以前から存在しているという永琳の台詞は、こういった部分に裏打ちされていると思われる。 | 话题总算要回到永琳了。由于,有思兼神是别天津神里第2个列出的高御产巢日神之子的说法。因此按照代数来说有可能是比伊邪那岐·伊邪那美更古老的神明。但是,神明的年龄很长,特别如果是别天津神的话有说法是以亿为单位。因此,即使代数很靠后,也不能说他一定先诞生。只是我想,在人类诞生的6500万年前就已经存在这一永琳的台词,可以支撑这部分的内容。 |
神様の分類 | 神明的分类 |
神様の話を続けるために避けて通れないのが、天津神と国津神についてだ。これは、日本神話に登場する神様の分類だ。本稿に既に登場している気もするが、関連するキーワードも一緒に挙げておく。 | 为了继续神明的话题而无法避而不谈的,就是天津神和国津神。这个,是日本神话里登场的神明的分类。在本文中已经登场了,相关的关键词也一起列出来吧。 |
天津神(あまつかみ) 高天原にい神々、または高天原から天下った神々のこと。 | 天津神 在高天原的神明,或者是从高天原下凡的神明。 |
国津神(くにつかみ) 天津神が高天原からやってくる以前から、葦原中国にいたとされる神々。 | 国津神 在天津神从高天原到来以前,就在苇原中国的神明。 |
高天原(たかまがはら) 天地開闢以来、神々が住む場所。天岩戸も高天原にある。 | 高天原 天地开辟以来,神明居住的地方。天岩户也在高天原。 |
葦原中国(あしはらのなかつくに) 高天原と黄泉の国の間にある世界。日本。 | 苇原中国 高天原和黄泉国之间的世界。日本。 |
黄泉の国(よみのくに) 死者の世界。葦原中国と繋がっているとされる。 | 黄泉国 死者的世界。和苇原中国相连。 |
ということで、天津神の中でも特別な別天津神の子であるオモイカネは、当然天津神ということになる(ので、永琳についても設定的には同様に考える)。また、小説「儚月抄」によれば、月の都を築いたのは、穢れを嫌って地上を離れた月夜見と彼女の親族及び一部の者で、永琳は都の創設に大いに力を貸したとされている。つまり月の都に住んでいるのは、主に天津神なのだ。あと兎。輝夜が神様かどうかはよくわからない。同じく「儚月抄」で重要なキャラとして登場する綿月豊姫・綿月依姫の姉妹も、トヨタマヒメとタマヨリヒメという姉妹の神様をモチーフにしており、それはどちらも天津神である。 | 因此,思兼神作为在天津神中也是特别的别天津神之子,当然是天津神(因而,在关于永琳的设定上也一样考虑)。另外,根据小说「儚月抄」所述,建立月之都的,是厌恶污秽而离开地上的月夜见和她的一部分亲族,永琳在月之都的创立上出了很大的力。也就是说住在月之都的,主要是天津神,还有兔子。辉夜是不是神明不是很清楚。同样在「儚月抄」里作为重要角色登场的绵月丰姬·绵月依姬姐妹,也是以丰玉毘卖命和玉依姬这对姐妹神明为原型,她们都是天津神。 |
また、オモイカネはタカミムスヒの子とする以外に、常世の神であるとする説もある。常世、つまりあの世の神なわけで、この辺りからも月の都が持つ静かなイメージと繋がる。 | 另外,思兼神有着除了是高御产巢日之子,还是常世之神的说法。常世,也就是彼世的神,从这出发也能联系起月之都拥有的静寂形象。 |
地上に残っている神とは? | 地上残存的神是? |
こうしてみると、幻想郷を含め、地上は神様が見放してしまって、みんな月に行ってしまったということになる。だがもちろん「みんな」ではない。もともと地上にいた神様だってたくさんいるではないか。そう国津神である。「永夜抄」では、あくまで神様の世界と東方の世界観を接続するまでだったが、ここからさらに2作品を経た後に、満を持して国津神が登場する。それが「東方風神録」だ。「風神録」の話を始めるとページが無くなってしまうのでここでは省くが、「東方輝針城」では一寸法師の末裔という設定のラスボス・少名針妙丸が登場する。だが名前からは国津神の中心的な神・大国主とともに国造りをしてまわった神・少彦名神の末裔とも想像できる。ともかく、「風神録」以降は天津神と国津神とが両方登場するようになったので、ちょっとピリッとした空気が流れる事もある。「東方非想天則」では、「永遠亭には色々神様がいるって聞いたけど」(原文ママ)という趣旨のセリフを洩矢諏訪子が言う。そう何人も居ないだろうに「色々」とはなんとも気になるが、少なくともここで言われる神様の一人は永琳を指すと思われる。また鈴仙が諏訪子に「土着神ってどうしても潰しきれないってお師匠様が言ってました」と言う一幕も。もちろん鈴仙が師匠と呼ぶのは永琳しかいない。 | 这样看来,包括幻想乡在内,地上被神明抛弃,大家去了月球。但那当然不是「所有神」。原本就在地上的神明不是有很多吗。是的那就是国津神。在「永夜抄」里,彻底将神明的世界和东方的世界观连在一起,接下来再经过两部作品后,国津神大量登场。那就是「东方风神录」。由于没有能开始谈「风神录」的页面了这里就将其略去。「东方辉针城」则让设定为一寸法师后裔的最终BOSS·少名针妙丸登场。但是从名字上可以想象到她是和国津神中心的神·大国主一同建立国家的神·少彦名神的后裔。不管如何,「风神录」以后由于天津神和国津神两方都登场了,也发生过一些火药味十足的事。在「东方非想天则」里,「听说你那里也住着各式各样的神明啊」(原文如此)这种内容的台词由洩矢诹访子说出。明明没有很多人却用了「各式各样」实在令人在意,我想至少这里说的神明中有一人是指永琳。另外铃仙也有对诹访子说「师傅大人说过土著神是怎么也打不倒的」的一幕。当然被铃仙称为师傅的人只有永琳。 |
とはいえ「風神録」以降の作品は、別に国津神と天津神がギスギスする話では別にないのでやはりこれらも想像のスパイスとして楽しむくらいがちょうど良いのではないだろうか。 | 虽说如此,在「风神录」以后的作品里,其它地方也没有凸显国津神和天津神关系紧张的话所以果然把这些作为想象的调味品高兴一下就正好了不是吗。 |
注释
- ↑ 即读法为训读而不是音读