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伊奘诺物质/附带故事
< 伊奘诺物质
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- 本页面内容为官方音乐CD伊奘诺物质的附带文档(Booklet)的原文与翻译以及光盘的扫图。
光盘扫图
包含角色信息 | |
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作品序号 | ZCDS-0014 |
封面角色 | 玛艾露贝莉·赫恩,宇佐见莲子 |
外面
地底のビジョンは地獄の物なのか ――感度の上がったメリーのアンテナが、日本の真実を想像する。 | 在地底所见的景象真的是地狱吗 ——以梅莉的提高了灵敏度的天线,来想象真实的日本。 |
上海アリス幻樂団が奏でる、 未来的で郷愁な音樂集第七弾 | 由上海爱丽丝幻乐团奏响,未来与乡愁的音乐集第七弹 |
Booklet
内面与碟面
故事文本
故事内容
1.緑のサナトリウム | 1.绿意盎然的疗养院 |
「退屈しなかった?」 「退屈しない訳が無いわ。こんな電波すら入らない山奥に隔離だなんて」 「隔離って……、療養よ、療養。一応」 | 「不无聊吗?」 「怎么可能不无聊啊。被隔离在这种连信号都没有的大山沟里」 「你说隔离……是疗养啦,疗养。姑且是」 |
行き過ぎた環境保護主義は都会を見かけだけの森林に飾り立てた。天然の植物 の無い、まさに絵に描いたジャングルだ。 人間は自然を創造し、全てを管理したつもりでいた。管理外の物の存在を否定 するようになるのも時間の問題だった。病気も大抵治療法が確立していた。絶対 に治せない先天性の物等は病気では無く個性として認められ、社会が適合できる ように変化していった。 治せない病気は、事実上“存在しない”のだ。 | 过度的环境保护主义将大都市装饰成了虚有其表的森林。没有天然的植物,正是 名副其实的画中丛林。 人类一直以来都试图创造自然,将一切纳入自己的管理之下。到达否定无法管理 的事物的存在的程度也只是时间问题。疾病也大致都确立了疗法。完全无法治疗的 先天性的东西,则已经不视作疾病,而是认定为个性,使其变得能适应社会。 无法治疗的疾病,实际上已经“不存在”了。 |
マエリベリー・ハーン(メリー)は鳥船遺跡で怪我を負ってから、原因不明の 病に冒されていた。どうやら地球上には存在しないウイルス性に依る譫妄だと診 断された。 管理外の物を恐れる社会の性質により、メリーは信州のサナトリウムで療養と いう名の隔離治療をさせられていた。この度、完全に治癒したとの連絡があって、 宇佐見蓮子が迎えに来ていたのだ。 | 玛艾露贝莉·赫恩(梅莉)自从在鸟船遗迹受伤,便患上了不明病因的疾病。姑且 被诊断为因地球上不存在的病毒而导致的谵妄。 由于社会对无法管理的事物的恐惧,梅莉被迫在信州的疗养院接受名为疗养的隔 离治疗。这回宇佐见莲子接到了她完全痊愈的消息,于是来接她出院。 |
「誰とも会わせて貰えないし、そもそも日本に身寄りがいないし」 「まあまあ、ところでどんな病気だったの?」 「何か、熱に浮かされて寝ながら歩いたり別世界の幻覚を見たりしたわ」 「ん? それってメリーにとってはいつもの事じゃあ……」 | 「还禁止我和任何人见面,本来我在日本就一个亲戚都没有」 「好啦好啦。话说是什么病啊?」 「似乎是发烧导致神志不清造成梦游症状和看见其他世界的幻觉来着」 「嗯? 这对梅莉你来说不是正常现象么……」 |
2.牛に引かれて善光寺参り | 2.被牛引到善光寺 |
「ほら、本堂の柱が土台から随分とずれているでしょ?」 「これが地震柱?」 | 「你看,正殿的柱子和柱基错开了不少吧。」 「这就是地震柱?」 |
退院ついでに信州観光を行う事にした二人は、まず日本最古の仏像を祀るとい う善光寺に立ち寄った。 観光客がごった返す仲見世通りには目新しさは無い。お土産屋は伝統に縛られ たまま、百年以上は時が止まっているようだ。 | 出院后顺路在信州观光的两人,最先到访的是据说供奉着日本年代最久远的佛像 的善光寺。 挤满了观光客的商店街了无新意。特产店被传统所束缚着,看上去似乎时光在这 里停滞了百年以上。 |
「これが善光寺地震の爪痕と言う事になっているわ」 | 「这据传是善光寺地震的痕迹哦」 |
――善光寺地震。弘化四年、信州北部を襲った地震である。 善光寺は七年に一度だけ秘仏を公開する事で有名で、その時は全国から人が集 まり非常に混雑する。善光寺地震は、その御開帳の真っ最中に起きたため、死者 数千人とも言われる甚大な被害をもたらした。 | ——善光寺地震。弘化四年,袭击了信州北部的地震。 善光寺因七年一度的秘佛公开而闻名遐迩,当时聚集着从日本各地慕名而来的人 们,相当拥挤。善光寺地震因为恰巧在开龛的时候发生,导致了据说死者上千的大 惨剧。 |
「地震で柱だけがずれたって言うの? そんな事あるのかしら」 「本当はね、これは柱が時間が経って乾燥して捻れた物だって判ったの。 でも、それより地震柱と呼んだ方が地震の恐ろしさを後生に伝えられるって みんな判断して、正式名称になったのよ」 | 「也就是说是地震导致柱子脱离了柱基? 真的会有这种事么」 「其实啊,现在已经弄清楚了这是柱子长年累月因为干燥而产生的扭曲。 但是,和这比起来大家觉得称之为地震柱更能向后世传达地震的恐怖 所以就这么成为了正式名称哦」 |
メリーには見えていた。柱が歪むような恐ろしい地震の光景が。 | 梅莉她能看见。看见那甚至能将柱子扭曲的可怕地震的光景。 |
3.ハートフェルトファンシー | 3.Heartfelt Fancy |
「どうしたの? 何か顔色が良くないみたいだけど、 まだ病み上がりで調子が悪いの?」 「あ、ああ、そんな事ないわ。むしろ絶好調みたいで……」 「?」 | 「你怎么了? 好像脸色不太好啊, 是病刚好还没缓过来么?」 「啊,不不,没这回事儿。反而应该算是极佳状态吧……」 「?」 |
メリーは最近、結界の切れ目だけで無く、異世界の風景を見ているようだ。 さらに夢の中だけで無く、実際に移動したりする事があるようで気になっている。 | 梅莉最近,不仅能见到结界的缺口,似乎还能见到异世界的景象。 更有甚者,她不仅能在梦中,还能在实际中踏入那个世界——这一点令人在意。 |
先日の鳥船遺跡の時もそうだ。蓮子にとってはただの夢かも知れないが、彼女 にとっては現実と変わらない。だから、彼女だけが怪我をしたのだ。 サナトリウムに行った理由も、精神異常と判断された、と言うのが正しいのだ ろう。無論そんな事はないが、社会は不思議な者を受け入れないのだ。 だから、彼女の能力はオカルトな物として秘密にしなければならない。 | 之前鸟船遗迹的时候也是这样。对莲子来说那次探险或许仅仅是一场梦,但是对 梅莉她来说,那和现实并无二致。也正是因此,只有她受了伤。 赴疗养院的理由,也是因为她被判断为精神异常,其实这才是真正的原因吧。当 然事实上她正常得很,只是这个社会不能容纳奇人异事罢了。 所以,她的能力必须作为一种灵异,秘而不宣。 |
「私は、メリーが不思議な力を持っているのは判っているわ。 でも、その力っていつも神社仏閣が関係しているのよね」 「そうだっけ?」 「ええ、だからここに来てみたんだけど、まだ体調が優れないのかしら?」 「だから、平気だって。 ただ、少し調子が良すぎてねぇ、なんか余計な物まで見えて」 「余計な物?」 「地獄とかね」 | 「我很清楚,梅莉你掌握着不可思议的能力哦。 不过,你这种能力总是要和神社佛阁扯上点关系呢」 「是这么回事么?」 「是啊,所以才想着来这里看看,不过你身体状况还不太好吧?」 「都跟你说了我好得很。 只是状态有点儿好过头了呢,似乎连多余的东西都看见了」 「多余的东西?」 「比如地狱啦」 |
4.六十年目の東方裁判 | 4.第六十年的东方审判 |
「うわー、これはちょっと」 「随分とファニーな顔をしているわね」 | 「呜哇—,这可有点」 「你的表情好滑稽哦」 |
二人は善光寺の閻魔像の前にいた。閻魔像は顔を真っ赤にして怒りを 表している様だが、二人にはただの酔っ払いのオヤジにしか見えていない。 | 两人站在善光寺的阎魔像前。阎魔像的脸给刷成了通红,像是要表现出 愤怒的样子,但是在她们看来,那只是个醉汉罢了。 |
「ねえ、メリー。さっきの話だけど、地獄って本当にあるの?」 「うーんと地獄はね、 地下4万由旬に存在すると言われているの」 | 「对了,梅莉。就刚才那个话题啊,地狱真的存在吗?」 「唔,地狱啊, 据说存在于地下4万由旬处来着」 |
「由旬って長さの単位?」 「そう、古代インドの長さの単位で1由旬はおよそ7キロ。 つまり、4万由旬はおよそ28万キロくらいね。 地球の直径が1万2千キロちょっとだから、地球も通り過ぎちゃうわ」 | 「由旬是长度单位?」 「没错,古印度的长度单位,1由旬大概是7公里。 也就是说,4万由旬相当于28万公里左右哦。 地球的直径只有1万2千多公里,所以连地球都超过了啊」 |
「28万キロじゃ、地球を通り越して月の方が近いくらいね。 つまりは存在しないのかな」 「んー、そうとも言えないんだけど」 | 「28万公里啊,都已经穿过地球另一端,反而离月亮还近一点呢。 所以说是不存在吗」 「唔—,话也不能这么说」 |
地下4万由旬に存在するのは地獄の底である。 実際には地獄はそこから3万9千由旬の高さがある。つまり地獄の 天井はずっと近く、地上からそこまでの距離は1千由旬しかない。キロに換算 すると地下7千キロ。これは地球の中心近くに地獄がある事を意味している。 | 存在于地下4万由旬的是地狱的底层。 实际上地狱从那儿往上算有3万9千由旬高。也就是说地狱的 天花板要近得多,离地面只有1千由旬。换算成公里则是地下7千公里。 这意味着地心附近存在着地狱。 |
メリーには地球内部の事まではよく判らない。もし自分が地獄が存在すると 信じたら、いつか必ず行く事になるのでは無いか、そんな不安が頭をよぎる。 彼女は今、そう感じさせる物を持っているのだ。 不安を誤魔化すべく話を続ける。 | 梅莉并不清楚地球内部的构造。如果自己相信地狱的存在,那么岂不是 总有一天必定会去那儿吗——她的脑中浮现出这样的不安。因为她现在, 拥有一件让她不得不这么想的东西。 为了掩饰不安,她将话题继续了下去。 |
「それでも極楽よりはずっと近いのよ?」 「え? 極楽は雲の上にあるんじゃなくて?」 | 「不过就算那样也比极乐世界要近得多了哦。」 「咦? 极乐世界不是在云上么?」 |
「極楽にすむ阿弥陀如来の身長は6×10125由旬もあるのよ? 雲の上どころか――」 「――えーと、阿弥陀如来の身長だけでビッグバン宇宙より遥かに大きいわね。 何そのインフレ」 | 「在极乐世界居住的阿弥陀如来的身高都有6×10125由旬那么高哦。 岂止是云层之上——」 「——呃,这光是阿弥陀如来的身高都比大爆炸产生的宇宙要大得多了啊。 怎么回事啊这数字膨胀得」 |
5.アガルタの風 | 5.阿加尔塔之风 |
「地獄に比べて極楽は遥かに大きくて遠いのね」 「同時に、地獄は極楽に比べるともの凄く身近で、現実的という事なのよ」 | 「和地狱相比,极乐世界要大得多也遥远得多呢」 「而与此同时,和极乐世界相比,地狱非常地近,相当现实啊」 |
遥か昔から、人間がいる限り地上にも地獄は存在した。その地獄よりも遥かに 大きい極楽を想像して恐怖を和らげていたのかも知れない。 しかし、地底にある本物の地獄は未だに沈黙を続けている。 | 在遥远的过去,就是地面上也存在着人间地狱。人们或许正是通过想象一个 比那地狱要巨大得多的极乐世界来缓解恐怖。 但是对于地底存在着真正的地狱,梅莉依然保持沉默。 |
蓮子には黙っていたが、メリーはサナトリウムで療養中。地底奥深くの不思議 な世界を体験していた。 恐ろしい死の匂いが充満した洞窟の入り口。何処か古事記に出てくる黄泉比良 坂を彷彿させた。彼女はそこで手に入れた不思議な石片を現在も持っている。何 故かこの石片を持っていると、いくつかの風景が頭に浮かんでは消えるのだ。 メリーは予感した。地底には何か秘密がある。それもこの国の創世に関わる、 何かとてつもない秘密だ。 | 梅莉没有告诉莲子,她在疗养院疗养期间,曾经体验过那不可思议的深邃的 地底世界。 充满了死亡气息的恐怖的洞窟入口。那里能让人联想起古事记里描述的黄泉 比良坂。她在那里得到了一片奇异的石片,并且保管至今。不知为何,自从得 到这个石片,种种景象便在脑中时隐时现。 梅莉预感到,地底有什么秘密。那或许是和这个国度的天地创世相关的某种 难以想象的秘密。 |
「メリー、どうしたの? また考え込んじゃって」 「ねえ蓮子。私がサナトリウムにいたとき、何か起きてなかった?」 | 「梅莉,你怎么了? 又在沉思了」 「我说,莲子,在我住院期间,有发生什么事吗?」 |
6.イザナギオブジェクト | 6.伊奘诺物质 |
「え? 何か、ねぇ」 「特に、地底に関わる事で」 「う、うーん。そういえば、完全に情報は遮断されてたのね。 OK、OK。一ヶ月くらいのニュースなら大抵覚えているわ。 地底に関わる事なら……、そうねえ眉唾物のニュースで良ければ」 「お願い」 「日本海のメタンハイドレートの採掘場から、何やら不可思議な成分の鉱物 が出たって……。 2500万年前に完全に消えたイザナギプレートの名残だって、一時大騒 ぎになったんだけど、どうもその情報が眉唾物でね。見つかった石片が、 どう見ても人の手が加わった形をしていたのよ。 それで学者もみんな冷めちゃってさ」 | 「诶? 发生什么事呢」 「特别是和地底相关的事」 「唔,嗯。也对,你那时处于完全无法获得信息的状态啊。 OK,OK。一个月左右的新闻大概还是记得住的。 至于和地底有关的……如果不知真伪的消息也算的话」 「请讲」 「说是从日本海的可燃冰开采场,挖出了含有不可思议成分的矿物…… 因为可能是2500万年前完全消失了的伊邪那岐板块的残余,所以 掀起了轩然大波;但是这个消息似乎蛮不靠谱的。因为发掘出的石片, 怎么看都是经过人手加工过的形状哦。 搞得学者们现在都兴致阑珊咯。」 |
イザナギプレートとは、太平洋側からユーラシアプレートにぶつかり日本列 島を生んだ太古のプレートである。2500万年前に大陸の下に潜り込んで、 完全に消えた。その名前は日本列島を生んだ神にちなんだ物である。 | |
「遥か地底から人工物? それって本当?」 「いやー、どうだかねぇ。過去にはこれは70万年前の石器だ、って捏造し た学者もいたみたいだけど、2500万年以上前、じゃあねぇ」 「つまり逆説的に、捏造では無いと」 | 「从深邃的地底挖出人工物? 真的么?」 「这个嘛,谁知道呢。以前倒是有学者假造过70万年前的石器, 但是2500万年前也太假了,骗不了人的啊」 「那么反过来说,这并不是捏造咯」 |
メリーが何か確信を持ったような表情を見せた。 | 梅莉露出了一副胸有成竹的表情。 |
7.妖怪裏参道 | 7.后院的妖怪参拜道 |
「良いニュースだわ。 その人工物は、本物よ!」 「へ? 今日のメリー、何か変よ? 急に不安がったり、急に自信持ったり」 「実はね、私、そのイザナギプレートの名残だという石を持っているのよ」 「へ? な、何言ってるの? やっぱりおかしくなっちゃった?」 | 「这新闻很棒。 那人工物,绝对是真货!」 「啥? 今天梅莉你有点儿不对劲耶? 一会儿不安,一会儿又自信满满的」 「其实呀,我手里就有那个据说是伊邪那岐板块的残余的石片哦」 「啥? 你,你在说什么呀? 果然是脑子坏掉了么?」 |
蓮子は何やら興奮しているメリーを観察した。 何か、伊弉諾が実在……等、ぶつぶつと呟いてる。何かちょっと遠くに 行ってしまったようで寂しく思った。 | 莲子观察着莫名兴奋的梅莉。 她自言自语着:“伊奘诺是真实存在的呀……”之类的话。她的心似乎 飘到了远方——莲子感到有些寂寞。 |
そう言えば最近、メリーの能力が高まっている様に感じていた。最初の頃は ただ不思議な世界が見られると言う事で遊んでいただけなのに、今ではその世 界から物を持ってくる事も自在という。 | 说来,最近梅莉的能力似乎越来越强。一开始只是因为能看见奇妙的世界 所以就一起玩,但是如今她居然能随心所欲地从那些世界带来事物。 |
不思議な世界では妖怪のような者に出くわす事もある。蓮子にとってはそれ はただの幻像であるが、メリーには現実なのだ。 | 奇妙的世界里常常有妖怪之类的东西出没。那些东西对莲子来说只是幻象, 但是对梅莉来说却是现实。 |
蓮子には、メリーがその妖怪と同じレベルにいると思えてならなかった。 | 莲子不禁想道,梅莉和那些妖怪是同一级别的。 |
8.アンノウンX | 8.未知物X |
「ねえねえ、メリーが持っているっていう石って……」 「はいこれ」 | 「我说啊,梅莉你说的那个石头……」 「就是这个」 |
メリーは小さな石を差し出した。その形は、釣り針とも鍵とも言いがたい 形容しがたい形をしていた。明らかに人工物である。 | 梅莉掏出一块小石头。那形状说不上像钓钩也说不上像钥匙,难以名状。 很明显是人工物。 |
「これがイザナギプレートから見つかった人工物、 「んー、なんでそう言い切れるの?」 | 「这就是从伊邪那岐板块那里发现的人工物, 「呃—,你为什么能这么断言呢?」 |
「私には見えるもん。 2500万年前に伊弉諾が創った日本の姿が」 「今日のメリーは、いつもにも増して電波ね」 「何とでも言って、今は新しい映像が次々と入ってきて絶好調なんだから」 | 「因为我能看见啊。 2500万年前伊奘诺创造日本的情景」 「今天的梅莉要比往常电波好几倍呢」 「随你怎么说好啦,现在新鲜的影像接二连三地浮现出来,状态超级好啊」 |
サナトリウムから戻ってきて、メリーは一段と感覚が鋭くなった様に見える。 蓮子は羨ましく思うと同時に、何とかして自分もその映像を見なければと思った。 | 自从疗养院回来,梅莉的感觉看起来变得敏锐多了。 莲子在羡慕的同时,也想设法看看那是什么样的影像。 |
「ねえ、私にも見せてよー。その映像」 | 「我说,也让我看看嘛—。那些影像」 |
9.日本中の不思議を集めて | 9.收集日本各地的不可思议 |
人はいつから不思議を受け入れなくなったのだろう。 | 人是从何时开始不再接受神秘的呢。 |
暗闇に火の玉が浮かんでいれば、昔は死者の無念の魂とか、狐が人を騙す時 の火だとか言ったものだった。 | 若在黑暗中浮现火苗,放在从前,人们则会认为是死者留恋现世的魂魄, 或是狐狸诓骗人类时的狐火吧。 |
そこには深い想像力があった。 | 那之中有着深厚的想象力。 |
科学が進んでも、想像力が重要なのは変わらなかった。科学の大半は想像力で 出来ているからだ。火の玉は燐の自然発火だとか、プラズマだとか、脳の仕組み で起こる錯覚だとか想像した。 | 即使科学昌明,想象力的重要性也不会有变。因为科学的大部分也是由想象力 而生。像是想象火苗其实是磷的自燃,抑或是等离子体,又或者是脑的某种机制 引发的错觉。 |
しかし、情報化社会が進むと想像力は死滅した。 情報が誰にでも平等に与えられる物になった時代に想像の余地は無かったのだ。 火の玉の正体は与えられた情報の海の中に必ず答えがある。無ければ、何かの 間違いで片付ければ良い、と。 | 但是,随着信息社会的发展想象力灭绝了。 当人们都能平等地获得信息时,想象的余地便不存在了。 火苗的真面目,必定在给出的信息海洋中有着答案。若是没有,只要认定为 一个错误将之抹煞就好。 |
人は答えのある不思議を娯楽として楽しみ、答えの無い不思議を否定した。 それが、この国から神様が消えた理由である。 今はもう、日本中が神様の墓場なのだ。 | 人类将必有答案的神秘作为娱乐来消遣,而否定没有答案的神秘。 这就是,神明从这个国度消失了的理由。 如今,全日本都是神明的墓园。 |
「メリー! この場所、見た事があるよ!」 | 「梅莉! 这地方,我见过的!」 |
10.素敵な墓場で暮しましょ | 10.在美妙的墓地里住下吧 |
「この逆さに刺さった鉾は、高千穂の 伊弉諾命と | |
メリーは蓮子の目に手を当てていた。こうする事で、不安定だがメリーの ビジョンを共有する事が出来るのだ。 | 梅莉将手搭在莲子的眼睛上。这么一来,虽然有些不稳定,但是莲子也可以 共享梅莉的视界了。 |
「え? この世界に実在するの?」 「高千穂峰の山頂に刺さっているのよ。もの凄く不思議なのに、誰もまともに 研究しようとしないの」 | 「诶? 这个世界是真实存在的么?」 「就插在高千穗峰的山顶上啊。明明是那么神奇的东西,居然没有人愿意去 认认真真地研究」 |
メリーからもう不安は消えていた。自分が見た地底の光景は地獄なんかじゃ無い。 これは現実にある、神々の世界の映像なんだ、と。 | 梅莉已经不再感到不安。自己所看见的地底的光景根本不是地狱。 她已明白,这是真实存在的,诸神的世界的影像。 |
「じゃあ、きっとその天逆鉾も本物ね。 この伊弉諾物質と同じ石で出来て居ると思うわ。確かめなくっちゃ」 「良いわね。今度、メリーの快気祝いに行こう。 天逆鉾が本物だとすると……、もしかしたらここの近くにも伊弉諾物質が あるかも知れないわ!」 | 「那么,高千穗峰上的那支天逆鉾也是真货咯。 它应该是用和这个伊奘诺物质一样的石材做出来的。这可得确认一番」 「行啊。下回就去吧,就当是祝贺梅莉顺利康复。 如果天逆鉾是真货……搞不好这里附近 也有伊奘诺物质啊!」 |
二人の想像力はとどまるところを知らない。 | 两人的想象力没有止境。 |
「休憩したら次は戸隠に行ってみようよ。 あそこには | |
「天の岩戸といえば高千穂の……」 | 「说到天岩户,不就是高千穗的……」4 |
「そう、きっと天の岩戸も伊弉諾物質だわ! そうと決まれば行こう、戸隠へ」 | 「对,天岩户肯定也是伊奘诺物质! 那就决定啦,去户隐」 |
「ワクワクするね。 きっと誰も気にかけないだけで日本中に伊弉諾物質が眠ってるんだわ。 それに気が付いた者だけが、神の時代の風景が見られるの。 素敵だわ、私達で見つけ出しましょう!」 | 「好期待噢。 全日本肯定到处都沉眠着伊奘诺物质,只是谁都没有注意到罢了。 只有察觉到的人,才能见到神代的风景。 太美妙了,就由咱们来发现吧!」 |
神様の墓場が史実として動き始めていた。 それは秘封倶楽部、不思議を受け入れた者だけが見える、別の日本の姿だった。 | 诸神的墓园,作为史实,开始变动。 这是只有秘封俱乐部,接受神秘的人才能窥见的,另一个日本的姿态。 |
注释