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梦违科学世纪/附带故事
< 梦违科学世纪
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- 本页面内容为官方音乐CD梦违科学世纪的附带文档(Booklet)的原文与翻译以及光盘的扫图。
光盘扫图
包含角色信息 | |
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作品序号 | ZCDS-0003 |
封面角色 | 玛艾露贝莉·赫恩,宇佐见莲子 |
外面
月の兎、月面探査車 ――夢か現か、吉夢か、それとも悪夢なのか。 | 月兔、月面探测车 ——是梦是现,是好梦,还是噩梦呢。 |
上海アリス幻樂団が奏でる、幻想的で激しい音樂集第三弾 | 由上海爱丽丝幻乐团奏响,幻想般激昂的音乐集第三弹 |
Booklet
内面与碟面
故事文本
故事内容
1.童祭 | 1.童祭 |
(夜が明ける。幻の朝靄の中で夜が明ける。 私は幻想の世界で子供達と一緒に遊んでいたわ。 子供達はみんな楽しそうだった。みんな笑っていた) | (黎明即将到来。在幻之朝霭中黎明即将到来。 我在幻想的世界中和孩子们一起玩耍。 孩子们看起来都非常快乐。大家都在欢笑) |
幻か、砂上の楼閣なのか 夜明け迄、この夢、胡蝶の夢 | 是幻想吗,抑或空中楼阁吗 直至黎明,这场梦,蝴蝶之梦 |
(……こんなに笑っている子供を最後に見たのは一体いつだろう。 聴いた事もない不思議な唄、不思議な踊り。どうやら今日は祭らしい。 私も、いつかはこんな子供達の笑顔がある国に住みたいと思ったわ) | (……最后一次看到这样子欢笑的孩子究竟已是多久之前。 从未听说过的不可思议的歌声,不可思议的舞蹈。看来今天是祭典的日子。 我想,总有一天也要住进有这样的孩子们的笑脸的国度呀) |
夢違え、幻の 現し世は、血の気無い石の上に 空夢の、古の美しき都のお 白日は、 | |
2.華胥の夢 | 2.华胥之梦 |
「――そうそう、それでね。昨日はこんな夢を見たのよ」 「……って、また夢の話なのぉ?」 「だって、今日は夢の話をする為に貴方を呼んだのよ」 | 「——对了对了,就是呢。昨晚我做了这样一个梦哦」 「……诶,又是梦的事情吗?」 「因为,今天就是为了说梦的事情才叫你来的啊」 |
私の名前はマエリベリー・ハーン。この冥い街でオカルトサークルをや っているわ。普通のオカルトサークルとは違って、私達のサークルはまと もな霊能活動を行っていない。所謂不良サークルなんだけど……。それに サークルって言っても、サークルメンバーは二人だけだけどね。 | 我的名字叫玛艾露贝莉·赫恩。在这个冥暗的城市里经营着一个灵异 社团。和普通的灵异社团不同,我们的社团不进行正经的灵能活动。 也就是所谓的不良社团……。而且说是社团,社团成员也就两人而已呢。 |
「ねぇ、他人の夢の話ほど、話されて迷惑な物はないわよ?」 | 「我说,你大大咧咧地讲着自己的梦,可别人听着只会觉得无比麻烦哦?」 |
そんな事はどうでも良いけど、実は私には凄い能力があるのよ。うちの 家系は昔から霊感はある方だったみたいだけど……。 私は、世界中の結界、つまり境目が見えてしまうの。サークルは結界の 切れ目を探しては、別の世界に飛び込んでみるのよ。神隠しって奴かしら? | 那些事情都无所谓了,实际上我拥有很厉害的能力哦。虽说我们这个 家族似乎从前就是很有灵感的一族……。 我呢,能够看到世界中的结界,也就是那些境界线。社团活动的内容就 是寻找结界的缝隙,尝试着穿越到其他的世界中去。就是所谓的神隐吧? |
……禁止されてるんだけどね。 ただ最近私は、色んな世界の夢を見るようになってきて――。 | ……虽然这是被禁止的。 只是最近,我开始梦见各种各样的世界——。 |
「お願い、貴方に夢の事を話してカウンセリングして貰わないと、 どれが | 「拜托了,如果不向你诉说梦的事情并得到你的建议的话, 我感觉都要分不清哪个才是 |
3.上海紅茶館 | 3.上海红茶馆 |
深い緑の向こうにあった物、それは真っ赤なお屋敷だったわ。 お屋敷の周りは、深い緑色と、白く輝く湖…… なんて素敵な景観なのかしら? こんなに赤いのに、何故か自然にとけ込んでいるわね。 この思い切った色彩は、どこか子供っぽい感じがして……私は大好きよ。 | 在一片深绿色的那头,有一座鲜红色的房子。 房子的周围,是深深的绿色,和闪耀的银白的湖…… 多么美妙的景观对吧? 虽然如此的鲜红,不知为何却与自然融为一体。 这样不可思议的色彩,处处给人一种孩子般的感觉……我非常喜欢。 |
ちょっと寄っていってみようかしら? 突然訪れても失礼じゃないかしら? それに目の前のお屋敷は私を受け入れてくれるかしら? って、何、夢の中で怖じ気付いているのよ。私ったら。 | 要不要再靠近一点看看呢? 突然的造访会不会很失礼呢? 而且眼前的这个房屋能否接纳我呢? 不是,怎么,会在梦里感到恐惧啊。我也真是。 |
……あら、お手伝いさんが出てきたわ。 あの人に こんな素敵なお屋敷のご主人様に、挨拶がしたいって。 | ……哎呀,那里的仆人出来了。 我去向那个人问问看吧? 告诉她,我想向这个美妙房子的主人问个好。 |
4.ヴォヤージュ1969 | 4.Voyage1969 |
どこまで行っても同じ風景だったわ。 陽も落ちてしまって、足下もよく見えない…… | 不管走到哪里都是相同的风景。 太阳也已经落山,脚下的路也无法辨清…… |
夜の竹林ってこんなに迷う物だったのね。 時折遠くで聞こえる不思議な鳴き声。獣なのか、それとも……。 どうしましょう?困ったわ。 このまま竹林で彷徨い続けて飢え死にしちゃうのかしら? それとも、妖怪に喰べられちゃうのかしら?まだやり残した事色々あったんだけどなぁ。 | 夜晚的竹林是如此容易让人迷路的地方呢。 时不时从远处听到几声不可思议的鸣叫声。是野兽吗,还是……。 要怎么办呢?很头疼啊。 难道就要这样在竹林里彷徨下去最后饿死吗? 还是,会被妖怪给吞噬掉呢?可我还有各种各样的事情没有做啊。 |
私は、当てもなく彷徨っていたわ。 お腹がすいたら筍でも食べれば良いかなーなんて軽く思っていたし。 ――そもそも夢の中だけどね。 でもね私、その時気が付いたの。天然の筍って、どういう物なのか知らなかったのよ。 合成の物しか見た事ないもの。筍は味しか知らなかったの…… | 我,完全没有目的地彷徨着。 轻松地想着要是饿了的话就吃点竹笋也不错什么的。 ——反正这是在梦里呢。 但是呢我,就在这时才发现。天然的竹笋,究竟是什么样的东西我根本不知道啊。 因为我只看到过合成产品。对于竹笋我只知道它的味道…… |
途方に暮れて空を見上げたわ。 満天の星空だった。 初めて貴方の眼が羨ましく思えたわ。 貴方だったら、ここがどこだかすぐに判ったでしょうね。迷わなかったでしょうね。 | 束手无策的我抬头望了望天空。 满天的星空。 这时的我第一次对你的双眼感到羡慕。 如果是你的话,一定立刻就知道这里是什么地方了对吧。一定不会迷路对吧。 |
そう思った直後だったのよ、すぐ後ろで不気味な笑い声がしたのは! | 就在我方才这么想的时候,突然从背后传来一阵恐怖的笑声! |
5.科学世紀の少年少女 | 5.科学世纪的少年少女 |
「これが、 「うん?夢の話じゃなかったの?メリー」 さっきから私の夢の話を聴いて貰っているのは、 いないサークルメンバーのもう一人よ。サークル活動の殆どは彼女の行動 力から生み出されるわ。蓮子は、空を見るといま立っている場所と時間が 判るんだってさ。気持ち悪い。 | 「这些,就是在红色房子里得到的曲奇,以及在竹林里捡到的天然的竹笋哦」 「咦?这不是梦里的事情吗?梅莉」 从刚才就一直在听我说梦里的事情的人,叫宇佐见莲子。她可是只有两人的 社团成员中的另一人哦。社团活动几乎都是在她的行动力之下诞生的。莲子她, 说是只要看看天空就能判断出当前所处的位置和时间。真是诡异。 |
ちなみに蓮子は私の事をメリーと呼ぶの。この国の人には私の名前は発 音しにくいらしいわ。もう私の本名も忘れてるんじゃないかしら? | 顺带一提莲子称呼我为梅莉。似乎对这个国家的人来说读我的名字发音很 困难。她不会都已经忘记了我的本名了吧? |
「夢の話よ。さっきからそういってるじゃないの」 「……夢の話なのに、何でその夢の中の物が現実に出てくるの?」 「だから、貴方に相談してるのよ」 | 「是梦里的事情啊。刚才我不是就已经说过了吗」 「……如果是梦里的事情的话,为什么梦里的东西会出现在现实当中呢?」 「所以说,才要找你商量啊」 |
私には、何が 大抵妖怪に追われたりして終わるわ。悪夢と言えば悪夢なんだけど……。 でも夢の中の物をいつの間にか持ってたりして、もしかしたら今こうや って話している事が夢なのかもしれない……。 | 我现在,开始不明白哪里是 最后被妖怪追逐然后完结的。要说是噩梦也的确是噩梦没错……。但是 梦中的东西也不知是什么时候就跑到我手上来了,说不定现在我们这样 的交谈才真正是场梦……。 |
「教えてあげるよメリー。それはすでに筍じゃないわ。そこまで成長 したらもう堅くて食べられやしない」 でも、悪夢を吉夢に変えられるとしたら、今の現実より……。 「天然の筍はね、美味しい時は土の下に隠れて身を守っているのよ」 | 「让我来告诉你吧梅莉。这已经不再是竹笋了哦。成长到这样的话 已经坚固到无法再食用了」 但是,如果噩梦能够变成好梦的话,比起现在的现实来……。 「天然的竹笋啊,在还很美味的时候都会藏在土里来保护自己哦」 |
6.永夜の報い | 6.永夜的报应 |
私は本気で走ったわ。夢の中なのにね。 何だか判らないけど、さっきの笑い声が明らかに人間じゃない気配だったんだもん。 本能が『逃げろ!』って言っていたわ。 | 我拼命地奔跑着。虽然只是在梦里呢。 因为即便不知道究竟,但刚才的笑声给人的感觉很明显不是人类。 本能告诉我『快逃!』。 |
でも、竹林は微妙に傾斜が付いていて、私の平衡感覚を狂わせるの。 まっすぐ走っているつもりだったけど、本当はどうだったのかしら? | 但是,竹林却微妙地倾斜着,让我的平衡感也随之狂乱。 虽然是打算笔直地奔跑的,但真实的结果又如何呢? |
結構走っている気がするけど、何だか見たことのある景色しか出てこない。 この竹林が無限に続いてるのか、それとも私がぐるぐると回っているのか ……どっちでも同じ事ね。 | 虽然感觉跑了很久,却不知为何周围出现的总是那些见过的景色。 这个竹林是无限延伸的吗,还是说我根本就是一直在原地打转呢 ……其实不管哪个都一样呢。 |
蓮子みたいな『客観的に見て明確な真実が存在する』という考え方は いかにも前時代的だわ。 | 像莲子那样『客观来看明确的真实是存在的』的想法 已经是上个时代的东西了呀。 |
真実は主観の中にある。 見たことのある景色しか出てこないならば――ここはそういう所なのよ。 | 真实是存在于主观当中的。 如果出现的都是看见过的景色的话——那么这里就是那个地方。 |
だから、私は走っているの。 だって、夢というのは現の反意語なんかじゃない。 最近の常識では同意語なのよ。 夢の中だろうと、得体の知れない物からは逃げなきゃいけないの。それが真実だから。 | 所以,我才会奔跑。 因为,梦并不是现的反义词。 按最近的常识来说则是同义词呢。 即使是在梦中,也必须躲避那些身份不明的东西。因为那是真实的。 |
そんな私の専攻は相対性精神学。 蓮子は超統一物理学だったわよね。最近はひもの研究、順調かしら? | |
7.夜が降りてくる | 7.夜幕降临 |
でも……不思議ね。 貴方みたいな前時代的な人は、夢と現を正反対な物として考える人が多いけど、 もっともっと果てしなく昔の人は、夢と現を区別していなかったと言うわ。 | 但是……很不可思议呢。 虽然像你这样带着上个时代思维的人中,有很多人把梦与现认为是相反的东西, 不过在更更遥远的过去的那些古人们,据说是不区别梦与现的呢。 |
そして今は、夢と現は区別はするけど同じ物。 現の現実と夢の現実、現の私と夢の私、それぞれが存在するわ。 | 然后到了当今,虽然区别梦与现但却把两者当成相同的东西看待。 现之现实和梦之现实,现之我和梦之我,是各自存在着的。 |
夜の胡蝶が自分か、昼間の人間が自分か……。 今の常識では、両方自分なのよ。 | 夜里的蝴蝶是自己吗,昼间的人类是自己吗……。 按现在的常识来说,两方都是自己哦。 |
随分と逃げてきた気がしたけど、全く疲れは無かったわ。 まるで空を飛んでいる様に移動していたから?私は胡蝶になっていたのかしら? | 虽然觉得已经逃跑了很久,但却完全没有累的感觉。 是因为我现在的移动就如同飞在空中一样吗?难道是我变成蝴蝶了吗? |
でも、そんな夜のとびっくらもついにゴールのテープが見えて…… | 不过,这场深夜的竞跑也终于见到终点线了…… |
――私は走るのをやめた。 だって、少し先の方の竹林が、紅く光っていたんだもん。 その光は禍々しい色で、現実的な光では無かったわ。 そう貴方に判りやすく言えば…… ルビジウムの炎色反応の色が一番近いかしら? | ——我停下了脚步。 因为,在前方不远的竹林深处,正闪着红光。 那光显现出不祥的颜色,是现实中的光所没有的。 如果用你易于理解的话来说…… 应该和铷的焰色反应的颜色最为相近吧? |
とてもじゃないけど、光る竹、なんていう代物じゃなかったわ。 私は後ろを気にしながら、そうっと光っている方を覗き見たの。 | 无论如何,会发光的竹子,那是多么独特的东西啊。 我一边留意着背后,一边静静地向发光的方向窥视。 |
8.人形裁判 ~ 人の形弄びし少女 | 8.人偶裁判 ~ 玩弄人形的少女 |
ああ、私はなんていう物を見てしまったのかしら! 今では絶滅してしまった山犬だって河童だって、3DCGで見られる時代なのに…… それでも目の前にいるあんな大きな生き物は見た事がない。 | |
山犬より大きいのに、鼠の様な黒い生き物。眼だけが赤く光っている ……いや、兎だったかな? 目が赤かったし。 でも、その眼の付き方がおかしいの。 こう……正面に二つ付いているのよ。そう貴方の眼の様にね。 人間は大抵みんなそうだけど。 | 比山犬要更大,像老鼠一般黑色的生物。只有双眼放出红色的光。 ……不对,是不是兔子啊?毕竟眼睛是红色的。 但是,那样的话双眼长的位置又很奇怪了呢。 像这样……在正面长着两只呢。就跟你的双眼一样。 虽说大部分人类都是这样的。 |
顔の大きさは人間のそれと同じくらいだったわ。 というか人間の顔だったかしら?そう言えば人間の顔だったわね。顔だったのよ。きっと。 人間の顔を持った大きな鼠、貴方、そんな獣知らない? | 脸的大小基本上和人类的相同。 不如说那根本就是人类的脸吧?这么说起来的确是人类的脸呢。那是一张脸哦。一定没错。 长着人类的脸的大老鼠,你,知道有这种动物吗? |
――その時、大鼠は聞き覚えのある不気味な声を発したわ。 やっぱり私を追っかけていたのはこの大鼠だったのね。 でも、今は私の方を見ていない。紅い光の方を向いている。 | ——就在这时,大老鼠发出了曾经听到过的恐怖的声音。 果然一直追着我的就是这只大老鼠呢。 但是,现在的它并没有往我这里看。而是向着红光的方向。 |
そう……周りを紅く染めていたのはその大鼠の眼じゃ無かったのよ! なんと、不気味な大鼠は紅い光に怯えていたわ。 私はその紅く光っている方に顔を向け…… | 是的……将周围的景色染成鲜红的根本就不是那只大老鼠的眼睛啊! 竟然,令人害怕的大老鼠在畏惧着那红光。 我把脸转向了发出红光的地方…… |
9.夢と現の境界 | 9.梦境与现实的境界 |
「でね、これがその大鼠と女の子が去った後に落ちていた紙切れよ」 「ねぇ、本当に夢の話なの~?」 | 「你看,这个就是那只大老鼠和女孩子离开之后落下的纸条哦」 「我说,这真的是梦里的事情吗~?」 |
大鼠と対峙していた紅い光の正体は、なんと女の子だったわ。その女の子が 紅く光っていたの。何で紅く光っていたかと言うと、それは一目瞭然で、女の 子はね……全身が火に包まれていたの。 | 和大老鼠对峙的红光的真面目,竟然是一个女孩子呢。是那个女孩子在发出 红色的光。说到她为什么会发出红光的话,其实一目了然的,那个女孩子 呢……全身都被火包围着。 |
いや、それは正確な表現じゃあないわね。全身から火を出していた、という 方が的確かなぁ。女の子の体から深い紅色の炎が斜め上に広がって、まるで羽 を開いた鳥の様に……。 | 不对,那样的表达方式并不正确。应该说是从全身冒出火来,这样描述 比较准确一点吧。深红色的火焰从女孩子的身体里向斜上方扩散开去,就 好像展开双翼的鸟一般……。 |
それはね。人の顔の付いた大鼠など比べものにならないほど、禍々しかった わ。大鼠は、その女の子が手を挙げただけで恐れをなしてか逃げていったの。 | 那是呢。是长着人脸的大老鼠根本就没法比拟的,不祥之感。大老鼠 它,仅仅只是因为女孩子举起了手就害怕得不得了逃走了。 |
「だぁからぁ、夢と現なんて同じ物なのよ。いっつもいっつも言ってるじゃない。 私にしてみれば、貴方と会っている今が夢の現実かもしれないし……」 「まぁまぁ、夢の世界の話でも聴いてあげるから落ち着いて、メリー。 結局、その女の子は何者だったの? その後どうなったの?」 「知らない。その後は、大鼠が逃げていって……女の子も去っていったわ。 私はね、ずっと大鼠にも女の子見つからないように隠れていたの。 大鼠を追っ払って貰ったのにどうして隠れてたの、だって? まぁ……」 | 「所~以说~,梦与现是相同的东西哦。我不是一直一直都这么说的吗。 在我看来,和你相会的当下也许才是梦之现实也说不定……」 「好了好了,就算是梦境世界的事我也会听你说的所以你也冷静一下吧,梅莉。 结果,那个女孩子是谁啊? 在那之后又怎么样了呢?」 「不知道。那之后,大老鼠逃走了……女孩子也离开了。 而我呢,一直为了不被大老鼠和女孩子发现而藏起来了。 什么,你问为什么大老鼠被赶走之后我还要藏着? 嘛……」 |
その女の子の眼をまともに見てしまったわ。大鼠にも勝るとも劣らない紅い眼―― 「――あれは人間じゃあ、ないから」 | 我从正面看到了那个女孩子的眼睛。那是一双毫不输给那只大老鼠的红眼—— 「——因为她,不是人类」 |
10.幻想機械 | 10.幻想机械 |
結局、メリーは夢の世界の話をするだけして、一人で満足して帰って行った。 私はメリーから手渡された幾つかの品を見つつ、頭の中を整理していた。メリーは夢と現は 同じ物だと言っていたが、そんな筈がない。例え昨今の相対性精神学の常識がそうだと言って も、それはあくまでも精神の中での話であって、夢の中の物体が現実に現れてしまっては困る。 質量保存の法則が成り立たない。エントロピーはどうなるのだろう。 私は確信していた。メリーは気が付かないうちに、実際に結界の向こうに飛んでいる。それ を夢だと思いこんでいる。今、結界の向こうに非常に近い位置に居るのだろう。まさかメリー が見える能力から操る能力に……なんて事は無いと思うけど。最近、真面目にサークル活動し 過ぎたかな。 このままでは、夢の中で妖怪に喰われてしまうかも知れない。もしくは神隠しに遭うかも知 れない。メリーの想いが色んな世界に揺らいでいる。別の世界に居るときに、本人が夢ではな いと気が付いてしまえば、もうこっちの世界には戻れなくなるかもしれない。こっちの世界を夢 だと思いこんでしまうかもしれない。本人は気が付いていないけど、非常に危うい状態にある。 | 结果,梅莉只是说完了梦境世界里的事之后,就一个人满足地回去了。 我看着梅莉交给我的那几件物品,整理着头脑中的思路。虽然梅莉说梦与现是相同的东西, 但那是不可能的。就算现在的相对性精神学里的常识是那样说,但那最终也只是精神方面的 问题,梦里的物体要是能出现在现实当中那将会很麻烦。质量守恒定律将不再成立。熵将会 变成什么样子呢。 我确信了。梅莉其实是在她自己没有察觉的情况下,飞越到结界里面去了。把那里的事情 当成了梦而深信不疑着。现在,应该在离结界的对面非常近的地方了吧。难不成梅莉看见的 能力变成了操控的能力……虽然我觉得这不可能。最近,可能社团活动真的弄得过头了吧。 这样下去的话,也许会在梦中被妖怪吞噬。也有可能会遭遇神隐。梅莉的精神现在正在各 种世界之间摇摆着。在其他世界里的时候,一旦她本人发现那根本就不是一个梦的话,也许 就再也回不到这边的世界里来了。也许会坚信这边的世界其实才根本就是一个梦。虽然她本 人并没有察觉,但现在的她其实处于一个非常危险的状态。 |
私のカウンセリングとして考えられる手段は二つ。 これらの品を捨てて、完全に夢、幻だった思いこませる方法。 そうすれば二度と現実には夢の世界にいけなくなるだろう。夢と現は別物なのだ。 もう一つの方法は…… 夢ではなく、実際に別の世界にいる事を強く意識させて、夢から眼を覚まさせる方法。 そうすれば、夢の世界で訳も判らないうちに死んだりしない。 ただ……この世界に帰れなくなる可能性もある。 メリーにはどっちが良い?私にとってはどちらが一般解? ……そんなの決まってるじゃない。 | 我能想出的作为咨询建议的手段有两个。 把这些东西都扔掉,让她坚信那完全是场梦,是幻觉的方法。 那样的话她就将无法再从现实进入那个梦境世界了吧。梦与现是不同的东西。 另一个方法则是…… 强行让她意识到那并不是梦,她其实是到了另一个世界,以此让她从梦中醒来的方法。 那样的话,她就不会不明不白地死在梦境世界里了。 只是……也有可能会无法回到这个世界当中。 对梅莉来说哪个方法好呢?对我来说哪个才是最优解呢? ……那种事不是早就定好了嘛。 |
11.幽玄の槭樹 | 11.幽玄的枫树 |
「もう、いつも蓮子は呼び出しておいて時間に遅れるんだから」 「メリー、たったの3分15秒の遅刻じゃない。惜しいわね」 「惜しいって何? というか、今日は何の用かしら?」 「勿論サークル活動よ。せっかくサークルメンバー全員揃ったんだから」 「二人しか居ないけどね……ってまた何か入り口らしき所を見つけたの?」 | 「真是,每次莲子叫我出来结果都要迟到」 「梅莉,不是只迟到了3分15秒吗。好可惜啊」 「什么叫好可惜啊? 说起来,今天有什么事吗?」 「当然是社团活动啊。好不容易社团成员全体到齐嘛」 「虽然说只有两个人呢……算了总之又发现什么类似入口的地方了吗?」 |
結論は一つしかなかった。メリーが言っていた夢の世界。 美しき自然とほんのちょっぴりのミステリアス。 | 结论只有一个。梅莉所说的梦境世界。 美丽的自然和那细微的神秘。 |
人里離れた山奥の神社、 楽しそうにはしゃぐ子供達、 深い緑、白く輝く湖、 紅いお屋敷、木漏れ日の下でのティータイム、 迷わせるほどの広さの竹林、天然の筍、 人を狂わす満月、 人の顔を持った人ではない生き物、 そして禍々しい火の鳥―― | 远离人烟的深山中的神社、 看起来很高兴地在玩耍着的孩子们、 深深的绿色、银色闪耀的湖、 红色的房子、树阴下的茶会、 让人迷路的广阔的竹林、天然的竹笋、 让人类疯狂的满月、 长着人类的脸却不是人类的生物、 还有那不祥的火鸟—— |
……メリーだけが見ているなんてずるい! | ……只有梅莉一个人能看的话太不公平了! |
「勿論、別の世界の入り口だったら見つけられるわよ。 ほらこんなに手掛かりだってあるんだからね」 「手掛かりって……これは私の夢の世界の品じゃないの、蓮子」 「だから、メリーの夢の世界を探しにいくのよ。 ねぇ、何でこの国の子供達が楽しくなさそうに見えるのか…… メリーに判るかしら?」 | 「当然,其他世界的入口的话的确已经被我发现了哦。 你看看因为有了这么多的线索呢」 「你说线索……这些不是我梦境世界的东西吗,莲子」 「所以说,我们去探寻梅莉的梦境世界呀。 我说啊,为什么这个国家的孩子们看起来不快乐呢…… 梅莉你知道吗?」 |
「?」 | 「?」 |
「貴方みたいな考えの学者の所為で、 夢と現を同じ物として見るようになったからよ。 夢をただの脳が見せる虚像として、現実の一生理現象に組み込んだからよ。 主観の外に信じられる客観がある。絶対的な真実がある。 主観が真実だって?貴方の言っている事は矛盾している。その学説は間違っている。 その証拠に貴方は主観を認めないで夢にしちゃっているじゃない。 夢と現実は違う。だから夢を現実に変えようと努力出来る。 だから――子供達は笑う事が出来たの。 さぁ、眼を覚ますのよ。 夢は現実に変わるもの。 夢の世界を現実に変えるのよ!」 | 「是因为像你这样想的学者, 让他们把梦与现看成了同一种东西的缘故哦。 是因为把梦当成单纯的脑中看到的虚象,列入现实中的生理现象之一的缘故哦。 在主观之外有着能够相信的客观存在。有绝对的真实存在。 主观是真实?你所说的事情根本就是矛盾的。这个学说是错误的。 证据就是你不正是因为不认同主观所以才会做梦的吗。 梦与现实是不同的。所以才能够为了把梦变成现实而努力。 所以——孩子们才会欢笑啊。 来吧,睁开双眼吧。 梦是可以变成现实的。 我们来把梦境世界变成现实吧!」 |
注释